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たけし軍団の企画モノではない“ダンカン監督”デビュー

『七人の弔』で初めてメガホンを握ったダンカン監督(写真提供:オフィス北野)

ダンカンが脚本を書いた『生きない』を第51回ロカルノ映画祭に出品した(写真提供:オフィス北野)

タイトルのアイデアは、もちろん黒澤明監督の『七人の侍』から拝借。とは言え、パロディの要素は一切ない。家族の絆をテーマに据えながらも、そこで扱われているのは、子供の臓器売買といった社会の闇。そんな危うさを、独特のブラック・ユーモアで包み込み、“笑い”で描写してみせる。そのギリギリのバランス感覚には、お笑い芸人ならではの洗練された表現能力が反映されている。

「いずれダンカンに監督をさせたいとずっと思っていたんですが、直接的なきっかけは、清水浩監督の『生きない』で、ダンカンが脚本を書いたことでした。彼がたけし軍団という目で見られてしまうのは仕方ないんですが、私には、ビートたけしとの師弟関係をそのまま映画製作に持ち込むといった発想はありません」

「タイトルの不思議さを見れば分かるように、ダンカンという作家は、独特の皮肉めいた世界観を持っていて、非常にオリジナリティが高いんですね。よく、優れた企画は短いセンテンスで簡潔に説明できなければならないと言われますが、『生きない』の企画を、彼はたったの30秒で、スラリと説明してみせたんです。それが、純粋に面白かった」

「しかし、監督というのは、いい脚本が書けるからといって、すぐになれるものではない。現場で何十人のスタッフやキャストを引っ張っていくという、ある種のカリスマ性を持った求心力があるかどうかが、非常に大切です。長い付き合いのなかで、ダンカンにはそれがあると思えた。彼は、コントでも毎回、全シーンで絵コンテを書くんです。あの作画力はすばらしいと思いました。その点でも、映像作家としての資質をもともと持っていたと思っています」

「『七人の弔』の衝撃的な結末については、相当、すったもんだと議論しましたね。過激でありさえすればよい、ということではありませんから。ダンカンは、ともすれば悪趣味になりがちな内容でも、笑いで包み込むことができる。それがセンスであり、作家性です」

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