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出張料理人 狐野 扶実子に聞く(前編)

2005年7月7日

(インタビュー・文=小松 宏子 写真=遊佐 辰也、今清水 隆宏<厨房・料理>)

<プロフィール>

「どの牛を料理しますか?」。眼前に広がる牧場で草を食む牛たちを眺めながら、パーティーの主である紳士は尋ねた。メインとなる食材を“自家牧場”の中から選ぶというのだから、そのスケールは並ではない。カリスマ料理人として世界のセレブリティの心をとらえて離さない狐野扶実子が招かれたカナダの豪邸での会話だ。

社交界のステイタスとなった「Fumiko's Cuisine」のケータリング

600haを超す広大な敷地に、出席者が訪れる自家用ヘリの羽音が轟く。映画の1シーンと見まがうきらびやかな世界である。そしてディナータイム、客人たちの前に現れたのは華麗にして軽やか、エレガントでアーティスティックな皿の数々。賞賛の声が沸き起こったことは言うまでもない。今や「Fumiko's Cuisine」をケータリングすることは、欧米の社交界のひとつのステイタスであるとも。そんな世界の要人が求めてやまない日本女性の料理人がいることを、貴方はご存知だろうか。

名は狐野扶実子、弱冠35歳。パリに居を構え、政治・経済界の重鎮からのオーダーに応えて出張ディナーを請け負うフリーランスの料理人だ。またあるときは雑誌のコーディネイトやレストランのプロデュースを手がけ、レストランの調査員もこなすなど、確かな腕と舌を武器に、多彩なキャリアを誇る。

その可憐でスリムな姿からは想像もつかないパワフルな活躍ぶりであるが、本人はいたって自然体。流れに身をまかせながらも、運と努力の歯車を見事に噛み合わせて、カリスマ料理人への道を駆け上がった。その道のりはどのようなものだったのだろう。

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