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そのなかで、気が付いたことがある。選手たちが、「真剣に」と言うよりも、「必死に」ファンサービスを行っていたのだ。素人のファンに気を使いつつ走り、途中の休憩所では自らバナナやパンを手渡し、写真も一緒に写るだけでなく、自ら撮ってあげたりしていた。

そこには、新しいチームをなんとか育てたいという熱意が感じられる。監督やヘッドコーチは、昨年までは名門プロチームにいた人たちだ。まだ、自身たちも選手兼任だが、チーム運営に、スポンサー獲得にと、慣れない仕事に忙殺されているに違いない。2人は栃木県出身だけに、このチームに対する思いはひとしおのようだ。

ファンサービスよりは自分の練習をしたいというのが、選手の本音だろう。近々レースが始まるのだ。それでも、宇都宮ブリッツェンの面々は、様々なイベントに顔を出してPRに励み、子供向けの自転車安全教室を催したりしている。

レースで勝つことは大事だが、それだけでは「地元密着型」チームは育たない。これからも、多くの試行錯誤を重ねなければならないだろうが、ガンバレ!宇都宮ブリッツェン。

峠の上で一休みする参加者たち
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途中の休憩所では、選手たちが補給食のバナナなどを配っていた
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樺島 弘文(かばしま・ひろふみ)

1956年、札幌市生まれ。専門紙記者、週刊誌記者を経て、1988年にプレジデント社に入社。ビジネス雑誌「プレジデント」の編集長や出版部長などを務め、2002年3月に退職。退社後すぐ、妻と息子の家族3人で都心から栃木県馬頭町へ移住し、田舎での暮らしをスタートさせた。現在は、家の畑を耕しながら、経営者やビジネスノウハウをテーマに、フリーで雑誌や単行本の執筆、編集の仕事を続けている。著書に「馬頭のカバちゃん」(日経BP社/1575円)、「会社を辞めて田舎へGO!」(飛鳥新社/1575円)。

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