意外に思われるかも知れないが、山歩きは冬場が一番楽しい。春の新緑が燃え出るような頃は、見るには美しいが、山に入ると葉っぱが多くて歩きにくい。夏にはさらに雑草が生え、蚊やブヨなどの虫もまとわりついてくる。うっかりすると、マムシにも出くわす。
それに、春は山菜、秋はキノコと、どうしても山の幸を探しながらの道行きになってしまうので、のんびりと気ままに歩くということにならない。やはり、暖かい冬の日に、枯れ葉に覆われた山肌をカサカサと音を立てながら登っていくのが気持ちいい。馬頭は那須郡の一部だが、その南の端に位置するため、雪はほとんど降らないので、冬の山もそう危なくないのだ。
今なお残る風習
長袖のフリースを着ていると汗ばむような日、久しぶりに裏の山に入った。春に、祠の清掃を組内で行って以来のことだ。念のために、枝払い用のナタを腰にぶら下げ、壊れたクワの柄を杖代わり、急な斜面の道を登った。日差しが強くて、日が当っている部分と木陰の暗さのコントラストが際立っていた。雑木林だから、木の枝には葉っぱは少なくて、足元に枯れ葉の絨毯となっている。
普段はあまり登らない奥まで進むと、なにやら大きな木の根元が祀られていた。三又に分かれた木の根元に、神様を祀っている。篠竹にしめ縄さえ渡してある。1、2ヵ月くらいしか経っていない様子だ。







