田舎には花粉症はない、と馬頭に移住する前は堅く信じていた。花粉症はスギなどの花粉によるアレルギー症状だから、スギが身近にある田舎ほど「危険地帯」であろうことは分かる。
しかし、花粉症は、ただ花粉があるだけでは発症せず、排気ガスなどに含まれている窒素化合物を同時に吸収することで発症すると思い込んでいたのだ。
だから、空気のきれいな田舎では、スギ花粉が多くても花粉症は起きないと信じていた。なんせ、私が子供の頃はもちろん青年と呼ばれた時期まで、花粉症という名前さえ聞かなかった。そんなに、スギ花粉のアレルギーが激しいのであれば、もっと以前から、そして田舎ほど「花粉症被害」の話が出ていたはずだ。

山でも、スギは切り出しやすい場所から植林された。そういう場所は人家も近い
花粉症=スギ花粉+排気ガス?
現在でも、花粉症=スギ花粉+排気ガス、という方程式はあながち的外れとは言えないらしい。なぜか、言い訳がましくなっているが、これには理由がある。
わが家では、家内だけが花粉症持ちである。私と息子は今のところ、花粉の被害に遭っていない。馬頭に土地を求めようと見て回った際に、家内はスギ林の多さにたじろいだ。というより、怒った。
「なにこれ、周りはみんなスギ林じゃない。私が花粉症だって、知ってるでしょ。どういうつもりなのよ」
私はしたり顔で「大丈夫。田舎には花粉症はないから。花粉症は、排気ガスなんかと一緒にならないと出ないもんだから。花粉症は都会病だよ」と答えた。




