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「こんど那珂川の川下りをやるから、来ないか」

藤田製陶所の陶主である藤田眞一さんから、そう誘いを受けたのは11月半ばのことだった。「この寒いのに川下り?」と一瞬ひるんだものの、一度は那珂川を船で下ってみたかったので、喜んで参加させてもらうことにした。

那珂川はアユで有名だが、実はカヌーも盛んだ。馬頭から少し下った烏山あたりから、さらに下流の御前山(ごぜんやま)付近までは、カヌーのメッカと言っていい。何回か、カヌーを趣味にしている知人から誘われていたのだが、都合が付かず見送っていた。真冬ではあるが、いい機会だった。

川面に山並みが映っている。もう少し紅葉が鮮やかだと楽しいのだが

10人乗りボートで那珂川を下る

後日、藤田さんから届いたファクスには「那珂川における川旅のモデル的実践──冬編」と仰々しいタイトルがついていた。町おこしの一環として、地域活性化センターの協力を得て、川下りや小砂焼(こいさごやき)体験、そして馬頭温泉での宿泊が企画されていた。

川下りの当日、12月上旬とは思えない暖かい陽気に恵まれた。藤田さんは「夏編、秋編そして今度の冬編と、3回とも天気には恵まれたわ。きっと普段の行いがいいからだろう」と嬉しそうだった。当然、礼儀として「誰の行いが良かったか」は聞かなかった。

冬場のこととて、参加者は完全防寒のいでたちで臨んだ

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