その人は本来、ただのイチゴ農家のオジさんである。滅多に着ない背広に、数本しか持っていないネクタイを締め、町議会で真面目にぎこちなく熱弁をふるっている姿は、何回見ても違和感がある。と言うもよりも、気の毒である。本当は、こんな場所にいたくないのだろうなあ、と思ってしまうのだ。
イチゴ農家のオジさん、背広姿で訴える

処分場予定地の備中沢は、自然豊かな馬頭のなかでも異空間。貴重な動植物に溢れている
町議会での一般質問では、ほぼ産廃処分場問題だけを取り上げる。町会議員になって5年目になるが、年4回開かれる町議会では手を変え品を変えて、「産廃処分場反対」を訴え続けている。
納得がいかないと、同じような質問を処分場推進派の町長にぶつける。いつだったか、町長もウンザリして「同じことを聞くな」とキレたりしていた。
そのイチゴ農家のオジさんは、小林盛さんという。馬頭に計画されている県営産廃処分場に反対している「那珂川町の自然と環境を守る会」の会長である。若く見えるが56歳。人の目を真っ直ぐに見て話す。もっとも、その目はタレ目だ。

先の町長選挙では、処分場反対派の候補の事務局長を務めた。出陣式にて




