横浜に住んでいる私の父が、「どこかアユの塩焼きを宅配便で送ってくれるところはないか」と言い出した。以前から父はアユの塩焼きが好物で、馬頭に来るとアユを捕まえる簗や地元の農産物直売所で、ひとしきりアユの塩焼きを頬ばる。
父から下った“アユ探し”の用命
なんでも今回は、保存のきく形でアユの塩焼きを10尾ほど手に入れ、1日1尾ずつ食べたいらしい。これは意外に難問である。
アユは身が柔らかいので、焼く時には串に刺して立てて焼かなければならない。家庭用のグリルで横にして焼くと、引っくり返しているうちに、皮がはがれたり、身が崩れたりしがちだ。冷凍のアユを家庭で解凍して焼くのは、避けた方がいい。だいいち、これでは炭火焼きにならない。
では、一度塩焼きにしたアユを冷凍して販売しているところはないだろうか。父がインターネットで調べたところ、ないことはないらしい。が、どうも味が心配なようだ。そこで、アユの名所として名高い那珂川近くに住んでいる私に用命が下ったという次第だ。
確かに、私が暮らす那珂川町では、あちらこちらでアユの塩焼きが食べられる。しかも、獲れたて、焼きたてである。さっきまで、川で泳いでいたアユに塩を振って、炭火で丹念に焼いた時の美味しさは格別である。もちろん、養殖ものも、冷凍ものもあるが、食べようと思えば、いつでも天然ものの生のアユの塩焼きが食べられる。まさに、地の利である。

炭火で丁寧に焼かれるアユたち。天然ものは、近くの那珂川で獲れたものが持ち込まれる




