もう数年前のことだが、馬頭の商工会から町づくりについての講演を頼まれたことがある。そのなかで、「キーワードは、3つのSですよ」と話した。スピード(Speed)、ソフト(Soft)、サービス(Service)の3つである。都会から移り住んできた者には、この町には3点が甚だしく欠けているように思えたからだ。
田舎で「都会の論理」は難しい

那珂川はアユ釣りの名所。今年はアユの数も多いという
まず、スピード。役場での手続きから、ラーメンの出てくる時間まで、何でもやたらと遅い。ビジネス誌の編集をしていた経験から、世の中はスピード勝負の時代になっていることを痛感していた。
ただ、「同じことをするのでも、スピードを2倍にすれば、生産性は2倍、価値は2倍以上になりますよ」と話しても、聞いている人にはピンとこないようだった。
ソフトは言わずもがなかも知れないが、ハード重視の開発からの転換を求めたものだ。箱物行政は時代遅れであることは常識だと思っていたら、田舎では相変わらず補助金頼みのハード志向が抜けてなかった。道路でも、施設でも、作っただけじゃダメなことは、夕張の例を引くまでもなく分かり切っている。




