馬頭の商店街に、杉浦薬局という薬屋さんがある。60歳少し手前の杉浦孝夫さんと奥さんで営んでいる。杉浦さんは、千葉大学の大学院を修了後、製薬メーカーの研究所で医薬品合成の仕事をしていた。
漢方を勉強し始めた理由

3階建ての杉浦薬局。「漢方」の看板が目立つ
元々は隣町の烏山の出身だが、縁あって婿入りし、薬局を経営することとなった。30年ほど前のことである。それまで西洋医学の薬のプロだったのが、馬頭に来てから漢方薬を扱い始めた。
なぜか? 実は、私は漢方、東洋医学の信奉者で、滅多なことでは世に言う医者にはかからない。緊急処置が必要な場合はともかく、内科系の疾患では東洋医学的な治療の方が納得がいく。杉浦さんも「近代医学」からの転身組かと思ったが、そうではなかった。
30年前、しかも馬頭のような田舎でも、薬局は安売りチェーンが隆盛を見せ始めていた。馬頭にはなかったものの、車で20分も走れば、そうした店に行ける。
実際、商店街は国道沿いに並んでいるのだが、新しくバイパスが出来たこともあって、客足は減るばかりだ。それでなくても人口が減っている上に、道路が良くなって、お客は安売りチェーンに取られている。これは、他の店も同じで、今や馬頭の商店街は閑古鳥が鳴く始末だ。

ウイークエンドの午後だと言うのに、人影もまばらな馬頭の商店街




