
枝に積もった雪が輝いて見える
馬頭に移住してきて、雪のない冬を初めて過ごそうとしていた矢先のことだった。
馬頭は那須郡の一部とは言え、元々雪の少ない地域である。降るとしても、1シーズンに5、6回。だいたいは2、3日間で融けてしまう。ただ、山かげなどでは、春先まで解けないで残る雪もあるから、車の運転には用心が必要だ。五年も経つと、そうした危険ポイントも覚えるので、雪の心配は案外すくない。
今冬ばかりは雪のないシーズンになると思っていた。3月も半ば近くになり、もうスタッドレスタイヤを外して、ノーマルタイヤに変えようかとさえ考えていた。スタッドレスタイヤは燃費も悪くなるし、運転している時の騒音も大きい。
種蒔きの予定
ところが、3月7日の夜のことである。昼間もかなり冷えていたが、きれいに晴れた1日だった。それが、夕方6時過ぎから急に雪が降り出したのである。パラパラという感じではなくて、こちらで言うところの「ボッサ、ボッサ」と降り出した。

一夜にして現れた美しい雪景色
東京から来た客人が、馬頭温泉に泊まって、そこに伺って食事を一緒にすることになっていた。町内の知り合いが車で迎えに来てくれたので、玄関に出てみると、すごい雪である。ほんの1時間前までは、その気配さえなかった。もちろん、迎えに来てくれた馬頭の人たちも驚いている。
「なんだろう、これ。天気予報でも、雨とか雪とか全然言ってなかったなあ。さっき、子供が頭に雪を載せて帰ってきたから、手の込んだイタズラをしてって、言ったんだ。この車スタッドレスじゃないし、明日どうするかな」




