車で買い物に出かけていた家内の大きな声が、家の中まで聞こえてきた。
「すいませーん。木が倒れて、道が通れないんで、バックしてください」
少し奥まったところに住んでいるオバさまを車に乗せて、一緒に買い物にいった帰りのことである。オバさまを家まで送ろうとしたら、わが家から少し山を上ったところで、木が倒れていて車が通れなくなっているらしかった。
隣のジイさまの活躍
家内の声にビックリして、私も外に出た。わが家のすぐ裏を通っている県道(といっても、幅3メートルもないが)の、わが家から20メートルほど離れたあたりで、直径30センチくらいの杉が根腐れして倒れ、先の部分が電線に引っかかっていた。幹から垂れ下がった枝が、県道を塞ぐ形になっている。
倒れた杉の前で、軽トラが立ち往生していた。とりあえず町役場に電話を入れたが、木を取り除く工事業者が来るまで、しばらく時間が掛かりそうな話だった。

突然倒れた裏山の杉の木。根腐れしていたものが、雨の日に折れた
細い県道をどうにか軽トラとすれ違った家内の車は、無事わが家に戻っていたし、同乗していたオバさまは、倒れた杉の向こう側まで、ご主人が車で迎えに来た。
私などは「まあ工事の人が来るまで待つしかなかろう」と、のん気に構えていた。ところが、隣の家のジイさまが出てきて、取り敢えず邪魔な枝くらいは払ってやろうということになった。電線に掛かっている幹はチェーンソーでもないと歯が立たないが、枝ならばノコギリでも切り落とせる。枝だけでも払っておけば、幹の下を車は通れるようになる。




