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馬頭の小砂(こいさご)という窯元が10軒ほど集まっている地区で10月8日、野焼祭が行われた。小砂焼という「焼き物の里」にある藤田製陶所が主催したもので、国山窯や市川窯といった窯元も協賛している。今回が初めての試みだが、いわば、「焼き物の里」で行う「火まつり」である。

これぞ野焼の醍醐味

古代米を炊いた縄文めし

ただ野焼で皿や茶碗を焼いても面白くなかろうということで、「縄文」にこだわった祭となった。馬頭は、すぐそばを那珂川という豊かで清らかな河川が流れ、気候も温暖なことから、縄文時代から人が住み着いていたようだ。縄文土器もよく発掘されている。今でも、工事などをしていると、縄文時代の土器が現れて、建設現場が発掘現場に一転することがある。

昼過ぎには、藤田製陶所の裏にある空き地に300名ほどの町民が集まり、かなりの賑わいを見せていた。野焼用に塙やまが玉が用意されているほか、その場で粘土をこねて皿などの食器を作る人もいる。今回の野焼は、大きな焚き火を作って、その真ん中に土器を入れて、素焼きの焼き物を作るというものだ。木片や落ち葉を使っての火おこしに悪戦苦闘する親子の姿も見られた。

また、縄文めし、縄文イノシシ鍋、縄文ビールなども振舞われた。縄文めしというのは、黒く細長い古代米を炊いたもので、もち米風にモッチリとした食感でなかなかいける。黒っぽい玄米と精米した白米とが、半分ずつ素焼きの茶碗に盛られていたが、玄米の方が美味しかった。

縄文イノシシ鍋は、文字通りイノシシ鍋だが、縄文人たちも狩りが上手くいった日には、こうして食べただろうということで登場した。この日用意されたイノシシ肉は200人分40キロだった。濃厚な味わいとともに、身体を心から温めてくれる。

縄文ビール。泡が絶品

事前に見たパンフレットでよく分からなかったのが縄文ビールだった。縄文時代にビールはないはずだし、なにが縄文ビールなのか。藤田製陶所の6代目陶主である藤田眞一さんが、「縄文ビール、飲んでってよ」と近づいてきた。いざ味わわんと、テントに出向いた。

何のことはない普通の生ビールである。ところが、器が違った。素焼きの土器なのだ。これにビールを注ぐと、泡がきめ細かくしかもしっかりと立ってくる。まるでビール味のホイップクリームを舐めているようだった。

横で藤田さんは「これだけの人が来てくれるんだから、この町も捨てたモンじゃないね。なんか、火まつりっていいじゃない。那珂川町の名物にしてさ、栃木の名物、関東の名物にしたいんだ」と話していた。

古代米やイノシシ鍋に舌鼓をうつ来場者たち

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