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天日干しのうどん

2006年1月26日

もうすぐ昼時という頃、宇都宮で電気設備会社の役員をしている知り合いから電話をもらった。元々は馬頭町出身で、以前に町主催のパーティで顔を合わせたことがあった。

「樺島さん、いま近くにいるから、行ってもいいかい。すぐ行けるから」

めんつゆではなく生醤油がいい

とても勢い込んだ感じで、とても断れない。こうした突然の訪問は、田舎では当たり前である。まだ直接来宅しなかっただけ、気を遣ってくれた方だ。

武茂川沿いにある佐藤製麺所。一見廃屋のようだ。手前がうどんの干し場

「ちらかってるけど、どうぞ」と言うと、本当に1、2分でやって来た。家に入るなり、「これ食べたことあるっけ?」と小脇に抱えていたダンボール箱を差し出した。

愛想のない薄茶色のダンボール箱には「しまだうどん」とある。島田うどんはスーパーなどでも売られているが、この佐藤製麺所のものは知らなかった。住所が馬頭町になっている。

「これね、お店なんかじゃ売ってないの。直接買いに行かないとダメなんだわ。食べたことないでしょ。馬頭の人だって知らない人、多いんだから。でも、うまいんだ、これ。釜揚げが最高だから」

ダンボール箱を開けると、ただ薄紙に包まれただけの乾麺のうどんが10束無造作に並んでいる。片方が島田髪のように曲がって束ねられているので、島田うどんと呼ぶらしい。

その役員さんは自分が釜揚げうどんの作り方を教えてあげるからと、家内にできるだけ大きな鍋にお湯を沸かすように言った。役員さんと言っても現場にも出るのだろう。作業服を着ているからなんだか現場監督が指揮しているような雰囲気だ。

「あとは、醤油と鰹節あるかい。めんつゆなんかじゃなくて、生醤油がいいんだ」

完全に相手ペースで、気が付くと役員さんはガスレンジの前に立って、うどんを鍋に入れていた。

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