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有機農法家の苦労のタネ

2005年11月24日

わが家から車で15分ほどのなだらかな丘の上で有機農業を営んでいる伊吹信一さんという方がいる。現在、52歳。埼玉県出身で慶應義塾大学を卒業後、水道管材料の営業マンをしていたが、農業を志し、有機農法家の元で1年間修行した後、那珂川町(当時は馬頭町)に13年ほど前に移住してきた。

慶応大学時代に、ナチュラリスト・クラブを創立した伊吹信一さん。彼が作る野菜はすべて完全無農薬だ

完全無農薬野菜に挑む

伊吹さんは自宅から300メートルのところに1町5反の農地を持っている。1町5反と言われてもピンとこないだろうが、約1万5000平方メートル、4500坪ほどである。野球グランド三枚分くらいの見当になる。1人の労働力では、とても使い切れないらしい。

遅かった紅葉がようやく訪れてきたある日の午後、伊吹さんの畑を訪ねた。驚いたことに周囲に6000ボルトの電気牧柵が張り巡らされている。

「いやー、ここらはイノシシの通り道で、これがないと作物は全部やられちゃうんだよ。今年はジャガイモを半分やられた」

年間1トンほどのジャガイモを作るというから、500キロをイノシシに食べられたことになる。イノシシは土中にあるジャガイモを器用に掘り起こして食べていく。

畑では、西日に近くなった日差しを浴びて、ダイコン、サトイモ、長ネギ、カブ、チンゲンサイなどが光り輝いていた。

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