5月の四川大地震に続き、つい先月も東北地方で地震がありました。こうした地震や台風、洪水などの大災害時には、自宅を離れて、長期間に渡る避難所生活を送ることもあり得ます。何かと物入りで、いつの間にか口座残高が底をつく可能性も否めません。そんなとき、被災に関する保険金を受け取ることができれば金銭的に心強いことは言うまでもありません。しかし、保険金請求のための書類をそろえるのも難しい状況の中で、果たして保険金請求は可能なのでしょうか?
──「災害救助法」が適用された地域の被災者であればまず大丈夫、というのがその答えです。
災害救助法では、暴風、豪雨、地震、津波、その他異常な自然現象のほか、大規模な火事・爆発などによって所定の災害規模を超えた場合に、都道府県によってその適用の可否が決定されます。食料品の調達や住居喪失に悩む被災者に対し、避難所や応急仮設住宅を設置したり、住宅の応急修理の費用を支援するなど、一時的な救助・保護が行われるしくみです。
生命保険契約の話に戻ると、この災害救助法が適用された地域の保険契約者については、保険金請求に必要な書類を一部省略可にするなど、簡単な手続きで速やかな保険金支払いができるように、特別措置がとられるのです。また、保険は保険料を払わないと失効する(保障が途切れる)しくみですが、被災して、保険料支払いが滞るような事態になった場合、保障切れにならないようにするための方策はあるでしょうか?
──—貯蓄性の高い保険であれば、一般的に自動振替貸付が適用されて、その保険の解約返戻金の範囲内で自動的に保険料が立替払いされるため、保険を有効に継続させることができます。加えて、災害救助法が適用された地域の被災者であれば、保険料の払込みについて猶予期間を最長6カ月延長することが可能です。
猶予期間というのは、保険料の支払いが滞っても失効まで待ってくれる期間のことで、毎月払いの生命保険契約の場合、払込期月の翌月1日から末日までとなっています。例えば、5月10日に保険料が口座から引き落としになるケースでは、口座残高が不足して引き落とせない場合でも翌月末の6月30日までにちゃんと支払えば保険契約は継続します。これが、災害救助法の適用地域の被災者であれば、12月31日までに支払えば大丈夫というわけです。
このほか、契約者貸付という制度(自動振替貸付とは異なります)があり、必要な書類を一部省略するなど簡便な処理で利用できる特別措置もあります。契約者貸付は、保険契約をもとにお金を借りる制度で、審査なしの上に比較的低金利で手軽に借りられるため、被災による出費へ備える切り札として活用できます。借りられる額は解約返戻金の8~9割の範囲内。利息は、一般的に予定利率に上乗せした金利が適用されます。
ただし、このような保険金・給付金支払いや契約者貸付の簡便迅速対応、保険料払込猶予期間の延長といった特別措置は、災害救助法の適用地域の被災者が、その旨を保険会社へ申し出たときに限って適用される特別措置である点に留意が必要です。また、災害救助法の適用に関しては様々な要件・条件があるため、災害が発生したからといって必ずしも適用とならない点も理解しておきたいところです。
また、損害保険についても、災害救助法適用時には保険料の払込み猶予の特別措置をする場合がありますので、損害保険会社・代理店に問い合わせてみると良いでしょう。

※厚生労働省・社団法人生命保険協会のホームページ情報をもとに作成




