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第21回 自転車に付ける保険−盗難編−

2007年10月31日

自転車に付ける保険としてニーズが高いのは“盗難”の補償です。しかし、需要の高さとはうらはらに、盗難保険を供給するところは実は少ないのが現状です。その理由は、自転車の盗難件数の多さにあります。

警視庁の集計によれば、東京都内の自転車盗の認知件数は、過去3年でいずれも6万件以上。1万件前後を推移するオートバイ盗に比べても、非常に多発している現状があります(警視庁のページ)。

そのため損保では、盗難補償の提供に消極的で、自転車の“盗難保険”と言えば、自転車メーカーもしくは販売店が独自に提供するものが今の主流になっています。

メーカーや販売店の盗難補償では、表の例のように、一定の負担金額で該当自転車と同一(生産中止などの場合は最近似の自転車)の新車を購入できるというのが基本的なしくみです。あくまでも代替商品での補償のため、現金での補償ではありません。加入条件や代替自転車購入時の自己負担割合、保険料の水準が、メーカーや販売店によって非常にさまざまですが、以下のような特徴が共通しています。

  1. 新車購入時の同時加入のしくみがとられており、途中から補償を付けられない
  2. 補償期間は新車購入時から1~2年
  3. 補償の対象は車体本体のみのため、パーツ部品や改造等は対象外

ちなみに、盗難補償を受ける際には、警察署に盗難届けを出す必要があり、防犯登録をしておくことが必須です。また、故意または重大な過失による盗難は補償対象外ですので、たとえばカギをかけていなかったとか、コンビニに24時間以上停めていたケースでは補償を受けることは難しくなっています。

火災保険などの盗難補償

ところで、火災保険や自動車保険で、一定の条件下ではありますが自転車の盗難補償が得られることは意外と知られていません。たとえば住宅総合保険などの家財の火災保険には、家財の盗難補償の中に自転車の盗難補償も含まれているものがあります。補償の対象になるのは、住宅敷地内の屋根付き駐輪場からの盗難(火災などの事故時の盗難は除く)です。たとえば、住宅総合保険(家財)は賃貸借契約時に半ば強制的に加入(2年間で保険料2万円程度)している人が大半ですので、賃貸住宅にすんでいる方で、たとえばマンションの指定駐輪場から自転車が盗まれたというようなケースでは、保険金が受け取れる可能性があります。

なお、盗難補償がついているのは、火災保険の中でも“総合”補償タイプなので、住宅総合保険のほか、家庭総合保険や個人財産総合保険などにも一般的に含まれています。なお、火災保険は保険の目的が「建物」「家財」で分かれており自転車は「家財」に含まれます。一度、ご加入の火災保険の約款で確認しておくと良いでしょう。

また、自動車保険の特約として、自動車の室内・トランク内に積んだ動産(ゴルフバック、カメラ、折りたたみ自転車など)についての盗難補償を提供する損保も増えてきています(キャリアに固定されていたものの盗難は除く)。車に自転車を積んで出かけることが多い方は検討してみてもいいかもしれません。

以上、自転車の盗難補償を見てきましたが、満足のいく補償を得るのはなかなか難しいことがわかります(特に外出先での盗難)。費用対効果で判断しての利用はもちろんのこと、その前に、十分な盗難対策を講じることがまずは大切と考えます。

竹下 さくら(たけした・さくら)

CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。

大学で保険学のゼミを専攻し、損保・生保の本店業務部門を経て独立系FPに。ライフプランをベースにしたコンサルティングのかたわら、講師・執筆活動等を行う。

http://blog.livedoor.jp/office_takeshita/

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