多発する飲酒運転による事故を受けて、警察庁は道路交通法の改正試案を今年の通常国会に提出することになりました。たとえば、現行の懲役刑(図を参照)を「3年以下」から「5年以下」に変更するなど、さらなる罰則強化が予定されています。

この処分は1例であり、過去の交通事故や交通違反の前歴等により異なります。
警視庁ホームページより
もちろんこれらの罰則は、たとえ事故を起こしていなくても飲酒運転および酒気帯び運転(以下、飲酒運転等)をしただけで適用されるわけですが、人身事故を起こした場合にはさらに「危険運転致死傷罪」を適用されるケースもあります。負傷させた場合で15年以下の懲役、死亡させた場合で最長20年以下の懲役が課せられ、2001年に新設された以降、実際に懲役20年の判決を受けたケースも少なくありません。
それだけでなく、事故を起こしてしまったら、自分自身もクルマもまず無事ではいられません。心身ともにズタボロになった上に、自身の治療費やクルマの修理費も捻出しなければなりません。その上、当然に被害者へ多額の損害賠償金を支払う必要があります。その金額によっては、たった一度の事故で“人生が終わってしまう”ケースもあり得ます。
ここで「自分で保険に入っているから、自分のケガの治療代くらいは出るのでは?」と考えた方は認識不足。飲酒運転等は重大な違法行為のため、飲酒運転した本人の死傷に関しては保障(補償)対象外となるのです。
たとえば、自分で掛けた『自動車保険』のうち、「人身傷害補償保険」「自損事故保険」「搭乗者傷害保険」「無保険車傷害保険」では、飲酒運転した本人のケガ・死亡・後遺障害は補償対象外。「車両保険」の保険金も受け取れません。つまりこれら“自分のための保険”からは保険金が受け取れないのです。
ただし、強制保険の「自賠責保険」をはじめ、『自動車保険』のうち「対人賠償保険」「対物賠償保険」からは、たとえ飲酒運転等による事故であっても被害者に対する保険金が支払われます。なぜなら、これらは飲酒運転した本人のためではなく“被害者のための保険”だからです。
続いて『医療保険』についても、飲酒運転等の場合には入院給付金や手術給付金は受け取れません。なお、「終身保険」や「定期保険」など死亡保障の生命保険からは死亡保険金が受け取れるものの、前回お話した「災害割増特約」では飲酒運転時は保障対象外に。つまり、飲酒運転して事故を起した場合、自分のためにそれなりの保険金が受け取れるのは、自分が死亡したときだけということに。“ちょっと一杯”が命取りにならないようにする心構えが大切です。




