(取材・文=高間裕子 写真=村田和聡)
前回はヴィンテージラジオの魅力や、iPodを使った新しい楽しみ方、またメンテナンス方法について、石井健之氏に話をうかがった。第2回目となる今回は、ヴィンテージの中でも真空管ラジオに的を絞り、音に特徴のあるもの、デザインが秀逸なもの、そしてプラスアルファを楽しめる真空管ラジオと、タイプ別にお薦めの一台をセレクトしていただいた。
音にこだわるならこの一台
「Bang & Olufsen Pioner 512」 真空管ラジオ
1956年 デンマーク製 27万3000円(税込)
Bang & Olufsen(以下B&O)には、JetやMini、Masterなど、様々なシリーズがあり、このPionerはランクで言えばちょうど中間あたりです。しかし、1955~56年というのは、実は真空管ラジオの黄金期にあたります。それゆえ、この間に製造されたPioner 512も人気が非常に高く、市場にはあまり出回っていません。
B&Oのラジオはいずれも“漂うような音”を特徴としています。ほかのラジオ、特にドイツ製のものはみなそうなのですが、ストレートに音が出てくる。だからラジオを聴く場合は構えて聴くことになるのですが、B&Oの場合はそうではない。ラジオと対面して聴くというよりも、少し離れた場所で、本などを読みながら聴くといった姿勢がちょうど良いかと思いますね。「これを聴くぞ」と意気込んで聴くのではなく、さりげない音楽の聴き方を好む方には最適だと思います。
古い音楽、特にジャズやクラシックを真空管ラジオで聴いてみたいという方で、ご予算に余裕のある方には、一番にお薦めしたいですね。音に広がりがあり、伸びも強いので、ギターなどのストリングス系のものが合います。ただし、新しい音楽との相性はあまり良くありません。
また、B&Oはスピーカーが他のメーカーよりも少し上の方についているので、部屋の中でもあまり高い位置に置かない方がいいですね。音が届きにくくなります。
デザインに関しては、1940年代のラジオの雰囲気を引き継いでおり、クラシックな印象を受けるかと思います。アンティークなインテリアを好まれる方にはいいかもしれませんね。













