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過去数年の推移や業界平均も要チェック

売上高や経常利益だけ見ると好調そうに見える企業でも、決算書をよく見ると問題を抱えているケースは少なくありません。特に有利子負債などの借入金の額や、手元の現金の流れを示すキャッシュフローなどの数字は重要です。なぜなら、経営破綻のほとんどは借入金の返済に行き詰まることが原因だからです。

もちろん、数字が悪いからといって必ず破綻するわけではありません。しかし、例えば借入金が急激に増えているなど、短期間で数字が大きく動いているケースは注意したほうがいいでしょう。その意味では直近の決算書だけでなく、過去数年間の数字の動きをチェックすることが欠かせません。

また、業界による数字の特徴にも留意すべきです。不動産業界は土地や建物の仕入れの金額が大きいので、借入金も大きくなりがちです。業界の平均値や、同じような規模の企業の数字とも見比べてみるようにしましょう。参考までに上場不動産業(分譲)の2008年3月期の平均値を掲げておきます。

マンションを買うときには物件の立地や広さ、予算などばかりに気を取られがちです。歴史の古い大企業であれば破綻の心配も少ないかもしれません。しかし上場企業だからといって安心できないことは冒頭に述べたとおりです。契約してから後悔しないよう、企業の決算資料にも一度目を通してみるといいでしょう。

大森 広司

住まい研究塾主宰。編集プロダクションを経て93年よりフリー。現在、『住宅情報マンションズ』、『住宅情報タウンズ』、オールアバウト「マンション入門」などで住宅関連全般にわたって取材・執筆活動を続けている。著書に『マンション購入 完全チェックリスト』(日本実業出版社)、『新築マンション買うなら今だ!』(すばる舎)などがある。

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