普及するかどうかは住む側の考え方次第?
長期優良住宅の認定は6月からスタートしますが、モデル事業の応募状況から推測するに、多くのマンションが認定に手を挙げることは期待しにくそうです。当初はハウスメーカーや一部の先進的な工務店などによる一戸建て事業が中心になるでしょう。 ただ、マンションの骨組みである鉄筋コンクリートは、きちんと施工すれば100年以上は長持ちするといわれています。入居後のメンテナンスは管理組合と管理会社が手がける仕組みもあるので、その気になれば200年マンションをつくることはさほど難しくはないでしょう。
しかしネックとなるのはやはり建築コストです。まさにマンション市場が不振にあえいでいるこの時期での制度スタートは、タイミングとしても悪かったと言わざるを得ません。住宅金融支援機構が返済期間50年のローンの導入を予定しているなど、負担を軽くする仕組みは打ち出されていますが、普及につながるかどうかは不透明です。
住宅を長持ちさせる試みは過去にもあり、1980年代に始まった「センチュリー・ハウジング・システム」などは代表例です。マンションでも認定された事例がありますが、2002年度の「青山パークタワー」(三井不動産)を最後に途絶えています。今回の長期優良住宅がその二の舞にならない保証はないでしょう。
日本の住宅が長持ちしないのは、建物の質的な面もありますが、住む側の考え方によるところも大きいでしょう。住宅市場のスクラップ&ビルド体質を支えてきた経済成長と地価上昇が崩れ去った今、古い民家がそうであったように日本の住宅が再び長寿命体質を取り戻すことができるかどうか、今後の推移を見守りたいところです。




