物件価格の上昇や景気後退による購入意欲の減速など、マンション市場には逆風が吹き荒れています。しかし、そんななかでも間取りや設備などに工夫を凝らし、注目される物件を打ち出すケースは少なくありません。そうした特徴のある物件の一形態として、今回は他業種とのコラボレート企画を取り上げましょう。
三菱地所と無印良品が事業全体をコーディネート
マンションデベロッパーと他業種とのコラボレートはこれまでにも多数の例があります。典型的なのは家具やインテリア雑貨のブランドと手を組み、マンション内のインテリアデザインをそのブランド色で統一する手法でしょう。マンションの購入ターゲットとなる年齢層になじみのあるブランド名を前面に出すことで、販売促進に結びつける効果を期待できます。
三菱地所が「無印良品」のブランドで知られる良品計画との共同企画で進めている、千葉県船橋市の「パークハウス 木々 津田沼前原」のマンション事業も、そうしたコラボレートのひとつといえるでしょう。マンションのモデルルームを無印良品のブランドでコーディネートするケースは、これまでにも他社の物件で例がありました。ただ、従来の手法と異なるのは、良品計画が事業全体を監修する形でプロジェクトに深く関わっている点です。そうした事業全体のコンセプトを、両社では「MUJI VILLAGE」というワードで表しています。
「暮らしを追求してきた無印良品と我々が組むことによって、気持ちのいい集合住宅を実現できると考えました。『MUJI VILLAGE』とは集合住宅での暮らし方の象徴であり、単にインテリアデザインにブランドを採り入れるというだけでなく、暮らし方そのものの提案でもあるのです」(三菱地所プロジェクト事業部主事・前田匠氏)
気持ちのいい集合住宅とはなにかについて、両社では「簡素・簡潔の美をめざす」「掃除がしたくなる住まい」「使いやすい美しいキッチン」など大小15の条件を挙げています。暮らしやすさとシンプルな美しさを追求する姿勢が現れている点は、いかにも無印良品らしい考え方といえるでしょう。





