東京圏の地価が全面的に「底上げ」された
国土交通省から今年7月1日時点の基準地価(都道府県地価調査)が発表され、東京圏では住宅地の地価が全体で前年比4.8%アップと、昨年より上昇幅が広がったことが確認されました。
今年の基準地価の特徴は、地価上昇の動きが都心部から郊外部へ広がったことと、都心部の地価上昇がさらに加速したことです。ようするに、東京圏ではほぼ全面的に地価上昇が「底上げ」されたと見てよいでしょう。

地価上昇の動きが郊外部に広がる
例えば都心部では、東京都の住宅地が全体で同10.2%アップと2ケタの上昇率です。2年前の2005年時点ではまだ同マイナス0.8%と下落いていましたから、この2年間で急速に地価が上昇していることが分かります。上昇率は都心に近づくほど高く、区部都心部では2割近い上昇となっています。
一方、郊外部でも上昇傾向が強まっています。横浜市や川崎市、さいたま市、千葉市では軒並み上昇幅が昨年より拡大しました。周辺3県では都心から離れた「その他」エリアも、昨年の下落から今年は上昇に転じ、3県全体の変動率も上昇に転じています。
都心部の一部では地価上昇に一服感も
地価上昇の地点が首都圏全体に広がるなかで、変化の兆しも表れています。東京23区のなかで区単位の住宅地の地価上昇が最も大きかった区をみると、昨年は港区が前年比24.0%アップでトップでした。港区は今年も同24.1%アップと高い上昇率ですが、文京区が同24.6%で港区を上回ったのです。
文京区の住宅地上昇が顕著なったことについて、同省では「優良な居住・教育環境等を背景とした底堅いブランド力から、需要が増大したことによるもの」だと分析しています。これまで都心部ではファンドなど投資マネーが地価上昇を牽引してきた面が強いと指摘されていましたが、居住・教育環境という実需に対応したニーズが地価を押し上げる要因として浮上してきたといえるでしょう。
逆に上昇幅が昨年より縮小した地点もあります。都心部の住宅地では港区六本木や高輪、渋谷区千駄ヶ谷や本町、大山町などで上げ幅が前年を下回りました。足立区六町では昨年は同32.0%アップしましたが、今年は同14.7%の上昇にとどまっています。これはつくばエクスプレスの開業効果で過熱気味になった昨年の地価上昇が、ここへきて落ち着きを見せ始めたことによるものでしょう。都心部の一部では早くも地価上昇に一服感が見られるようです。




