中古は新築より価格が上がりにくい?
8月1日に国税庁から発表された路線価では、東京都の平均路線価が前年比17.1%アップするなど、都市部を中心に地価の上昇幅が拡大していることが確認されました。しかしマンション市場ではすでに、都心部など一部で「バブル並み」と懸念されるほどに価格上昇が顕著となっています。はたして今の価格上昇はバブルなのかどうか、東京カンテイの新築・中古マンションデータから検証していくことにしましょう。
新築と中古のマンション価格を取り上げるのは、両者の変動に違いがあるからです。一説には「中古は市場でもまれるので新築に比べて価格が上がりにくい」とも言われます。その説にしたがえば、新築の価格が急上昇して中古価格との乖離が大きくなったときがバブル発生の証とも言えそうですが、実際にはどうなのでしょうか。
中古のほうが上昇と下落のペースが急激
下の図表はバブル期前後の首都圏新築マンションの坪単価の推移を、都県別にグラフ化したものです。どの都県も1990年をピークに坪単価が下がっており、東京都では下がり方が急激ですが、山の形はどちらかというとなだらかです。

一方、中古マンションの坪単価推移を示した下のグラフを見ると、やはりピークは90年ですが、山の形が新築より尖っているのが特徴です。中古価格はたしかに上がりにくいといえる半面、一度上がり出すと急激にピークに達し、その後の下がり方も速いという特徴が読み取れます。

乖離率が30%以下はバブルの危険信号!?
では新築と中古の坪単価の乖離率はどう変化したのでしょうか。乖離率とは、新築と中古の坪単価の差がどの程度かを、中古の坪単価との比率で表した割合のこと。数字が大きいほど乖離が大きいことを表し、例えば新築の坪単価が中古の2倍になると乖離率が100%に達します。
乖離率のグラフを見ると、当初の見込みとは逆にバブル期ほど乖離率が小さくなっています。東京都では1987年に乖離率がマイナス、つまり新築と中古の坪単価が逆転し、90年にもほぼ同水準に達しました。その後、バブル崩壊以降は徐々に乖離率が大きくなっています。このデータだけから仮説を立てるなら、「乖離率がおおむね30%以下に下がるとバブルが懸念される」と言ってもいいかもしれません。





