地震によるライフラインの停止が大きな課題
マンションで暮らす人にとって気になる災害といえば、やはり地震でしょう。今の耐震基準を満たせば大地震でも建物が倒壊することはなさそうだとしても、家具の転倒や火災、ライフラインが復旧するまでの生活など心配の種は尽きません。また、マンションの敷地や建物内で子どもや高齢者が犯罪に巻き込まれるニュースを耳にすると、自分たちのマンションは大丈夫なのかと不安に思う人も少なくないはずです。そうした災害や犯罪に強いマンションづくりへの取り組みについて、最近の動きを見ていきましょう。
まず地震対策については、そもそもマンションが耐震基準を満たしているかどうかが大きな問題になっています。しかし、本来は少なくとも昭和56年施行の新耐震基準で建てられたマンションであれば、震度6強程度の大地震でも倒壊することはないはずです。ただ、たとえ建物が無事だったとしても、電気やガス、水道といったライフラインが被災によってストップしてしまう可能性は否定できません。
特に高層マンションでエレベーターが止まってしまうと、高層階の居住者や高齢者の生活に大きな支障をきたすことは容易に想像できます。高さ31mを超えるマンションには非常用エレベーターとそのための予備電源の設置が義務づけられているとはいえ、これらは消防活動用のもので被災後の生活を想定したものではありません。
東京都中央区では備蓄庫の設置を義務づけ
区内に多数の高層マンションが建つ東京都中央区では昨年度に、マンションが実際にどういった防災対策を実施しているかを調査しています。それによると、エレベーターにはほとんど地震時管制機能が付いているものの、保守会社との普及の取り決めは平常時の事故対応のものに限られるケースが大半でした。
また、高さ60mを超える超高層マンション29棟のうち食料を備蓄しているのは7棟(24%)で、飲料水やその他の防災用品の備蓄率は21.4%(6棟)にとどまっています。設備の耐震改修をしているところはゼロでした。

こうした実態を踏まえ、同区では市街地開発事業指導要綱を改正し、今年4月から一定の規模以上の新築マンションに対して飲料水や食料などを蓄える防災備蓄倉庫などの設置を義務づけることとしました。ほかに給水管が破裂しても水が漏れないよう、地震を感知したときに自動的に給水を止める装置や、地震の初期微動(P波)を感知した時点で最寄り階に停止する機能をエレベーターに付けることも義務づけます。マンションの規模については検討中ですが、10階建て以上の中高層マンションが対象となる見通しです。また、被災後の映像や家具などの転倒防止策の実験映像などをおさめたDVDを作成し、マンションの管理組合などに無償で配布するとしています。




