2006年の首都圏マンション市場は8年ぶり8万戸割れへ
首都圏では新築マンションの供給が落ち込んでいるようです。不動産経済研究所の調査によると、2006年の上半期までで首都圏の販売戸数は3万4177戸と前年同期(3万8398戸)と比べて11.0%の減少でした。その後、夏以降も供給の低迷が続き、1月〜11月の合計では前年より1万戸近く減って6万4249戸(同13.4%減)となっています。この調子だと年間の販売戸数が8年ぶりに8万戸を下回るのは確実です。

供給が低迷している最大の理由は、地価上昇で不動産会社がマンション用地を確保しにくくなったことにあると言われています。地価上昇の背景としては、景気回復で企業のリストラが一服し、工場や倉庫跡地の売却が減っていることが挙げられます。都心部ではすでに2〜3年前から地価上昇が始まっており、ここへきてマンション供給への影響が大きくなってきたようです。
都心部ではREITなどの不動産ファンドがマンションを積極的に購入していることも大きな要因とされています。不動産会社にとっては個人に1戸ずつマンションを売るよりも、1棟丸ごとファンドに売ったほうが早く資金を回収でき、経営効率アップが見込めます。ファンドが購入するのは賃貸収入が期待できる賃貸マンションなので、分譲物件から賃貸物件にシフトする不動産会社が増えているというわけです。
売り惜しみによる「ズレ込み物件」が6650戸発生
さらに供給減の原因として指摘されているのが、不動産会社による「売り惜しみ」です。このところの地価上昇に供給低迷が重なって、首都圏ではマンション価格が上昇傾向にあります。それも「1年前よりも半年前、半年前よりも3カ月前」といった具合に目に見えて価格がアップしている状況だと言われています。そのため、なるべく高い価格で売りたいと考える不動産会社が当初の販売予定を延期するケースが増え、供給ダウンに拍車をかけているようなのです。
この売り惜しみに関して、不動産経済研究所がデータを発表しました。2005年1月から2006年10月にかけて販売された物件の中から、直近の販売がその前の分譲期から4カ月以上たっている物件を「ズレ込み物件」として抽出したものです。マンション分譲ではなるべく早く物件を完売させるため、前の分譲期から1カ月程度で次の分譲を開始するケースが一般的です。それを4カ月以上も販売を止めているのですから、価格の値上げを狙った売り惜しみと考えられるケースも多く含まれるでしょう。
調査の結果、ズレ込み物件は首都圏全体で6650戸に達しました。地域別で最も多いのは都区部の2252戸で、全体の3分の1以上を占めています。このズレ込み物件を2006年1〜10月の供給実績5万7390戸に加えると6万4040戸となり、前年1〜10月の供給戸数と比べてわずか3.4%の減少に過ぎません。不動産会社による売り惜しみがなければ、2006年のマンション供給もほぼ前年並みを維持できていたのです。




