建築士法改正案など「偽装対策」第2弾を国会に提出
マンションの耐震偽装問題が発覚して約1年がたち、偽装に関与した被告の裁判が進められるなど、事件の収拾に向けた動きが活発化しています。偽装が見つかった分譲マンションのうちいくつかは具体的な建て替え作業を進めていますが、住民が追加負担を強いられる状況は避けられません。建て替えか耐震改修かを巡り、未だ住民間の意見がまとまらないケースも少なくない状況です。問題の終息にはまだかなり時間がかかるでしょう。
そんななか、国土交通省がまとめた建築士法などの改正法案がこのほど閣議決定され、開催中の臨時国会に提出されました。これは今年6月に成立した建築基準法などの改正に続く、耐震偽装対策の第2弾となる法案で、成立・公布から2年以内に施行の予定です。第1弾では構造設計の審査方法の厳格化や建築士に対する罰則の強化などが定められましたが、今回は建築士制度の見直しが目玉となっています。法案のポイントを見ていきましょう。
建築士に3〜5年ごとの研修を義務づけ
ポイントの第1点は建築士の資質・能力の向上です。建築士の資格には一級建築士を頂点に二級建築士や木造建築士がありますが、いずれも一度取得すると「一生モノ」で、特に講習などを受けなくても持ち続けることができます。そのため資格を取得してから長い年月がたち、より高度化する建築技術についていけなくなっている建築士も少なくないようなのです。ちなみに一級建築士は平成17年度末時点で32万人余り。そのうち60歳以上が10万人を超えるなど資格者の高齢化も進んでいます。建築士の団体である建築士会や建築家協会では独自にCPDという研修制度を設けていますが、利用者は限られているのが現状です。
そこで法案では、建築士事務所に所属する建築士、つまり設計の仕事に就いている建築士に対して3〜5年ごとの講習の受講を義務づけることにしています。また、一級建築士試験の受験資格についても見直しを行います。従来は大学などで「建築または土木に関する課程」を修め、卒業後に建築に関する2年以上の実務経験があることとさていました。それが法案では、「国土交通大臣の指定する建築に関する科目」を修め、卒業後に「省令で定める建築実務を2年以上経験すること」が条件となります。履修科目や実務経験を絞り込むことで、能力の高い建築士を確保しようという考えです。とはいえ、現状でも講習会などへの参加率は8割程度に達しており、法律で義務づける講習についてはよりレベルの高い内容が求められるでしょう。





