マンションの管理情報を管理組合ごとに公開
今年7月、財団法人マンション管理センターの運営による「マンションみらいネット」がインターネット上で公開されました。国土交通省の肝入りでスタートした事業であるわりに注目度はさほど高くはなく、マスコミ報道も業界専門誌など一部で取り上げられただけにすぎません。
マンションみらいネットとは、マンションの管理に関する履歴情報を管理組合ごとに登録し、ネット上で公開するシステムです。公開される情報は建物の概要や管理の委託先、管理組合の運営状況、管理規約や修繕計画など多岐にわたります。これらの情報は管理組合の所在地やマンション名によって検索できる仕組みです。
登録は管理組合単位で行われ、登録費用や毎年の更新料をマンション管理センターに支払います。そのマンションの居住者(区分所有者)は公開された情報をネットで閲覧できるのはもちろん、組合員同士や管理会社との連絡のやりとりができる電子掲示板を利用することができます。また、オプションで設計図書や管理規約などの書類を電子化して保存し、いつでも閲覧できるようにすることも可能です。
管理の適正化と中古市場の活性化が狙い
このマンションみらいネットの導入の狙いは大きく分けて2つあります。ひとつは管理組合がマンションの管理を適正に運営しやすくすること、もうひとつはマンション購入者が物件ごとの管理状況を比較しやすくすることです。
ひとつめの管理の適正化は、国土交通省が今後の住宅政策のなかでも最重要課題と位置づけているものです。なにしろ2011年には築30年以上のマンションが100万戸を超えるといわれていますが、管理が適正に行われていないために著しく老朽化したり、空き住戸が増えて廃屋同然となってしまうことが懸念されるケースも少なくありません。マンションをきちんと管理して建物の寿命を伸ばすことは、所有者の財産を維持するだけでなく、都市の環境や治安を守るうえでも重要な問題なのです。
ふたつめの管理状況の比較は、中古マンションの流通市場を活性化させるうえで不可欠と考えられています。よく「マンションは管理を買え」と言われるほど、管理状況はマンションの住み心地を左右する要因です。ところが中古物件の広告などに表示されるのは立地や広さなどの情報ばかりで、管理に関する情報があってもごく一部にすぎません。そこで各マンションの管理状況を詳しく公開することで、購入を検討している人がその良し悪しを比較しやすくしようというわけです。

マンションの管理は資産価値に影響する重要な要素だが、外部からは見えにくく購入者が判断しにくいのが現状だ




