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第2回 耐震偽装の“後始末”を検証する

2006年7月6日

建築基準法などの改正が成立

マンションの耐震偽装事件に絡む警視庁などの捜査が終結し、7月7日から東京地裁で姉歯元1級建築士など6名の公判が始まります。事件は結局のところ同被告の単独犯とされ、他の被告は偽装を見抜けなかったり、偽装を知りながら物件を販売したりといった“2次的な”罪を問われる形になりました。

1人のついた嘘がそもそもの原因だったとはいえ、事件がマンション業界に与えた影響は甚大であり、行政は各種制度見直しなど対策に追われています。その第1弾として、建築基準法などの一部を改正する法案が先の国会で成立し、半年~1年以内に施行される予定です。まずはその法改正の内容を見ていきましょう。

一定規模の建物の構造計算審査を義務づけ

法改正では、建築確認・検査を厳格化する内容が盛り込まれました。木造は高さ13m超、鉄筋コンクリート造(RC造)は高さ20m超など、一定の高さ以上の建築物については指定機関による構造計算審査を義務づけるというものです。

今回の事件で偽装が見抜けなかった構造計算を、専門家が二重にチェックする仕組みです。いわば法改正の目玉なわけですが、実務上は課題が少なくありません。まず対象となる構造計算書を専門家がチェックしきれるのかという問題です。

高さ20m超のRC造建築物は年間8万~10万棟前後建設されると言われています。これに対し、構造計算書をチェックできる専門家というと社団法人日本建築構造技術者協会(JSCA)が認定する建築構造士ぐらいしか適任者がいないようなのですが、その数は全国に約2500人に過ぎません。それぞれに仕事を抱えている彼らがすべてをチェックするのは無理があるでしょう。

この点についてJSCAの大越俊男会長は「賃貸物件などは建物のオーナーが自分の判断で専門家にチェックを依頼すればよい。義務づけるのは建築主と所有者とが異なる分譲マンションなどに限定すべきではないか」と話しています。

構造計算チェックの義務づけは分譲マンションに限るべきとの意見もある

二重のチェック体制に効果は期待できるか

そもそも、建築物は設計者(建築士)が工事も監理する決まりになっています。加えて設計段階で法令違反がないかどうかをチェックするのが建築確認の手続きなのです。今回の構造計算審査の義務づけは、すでにあるチェック体制の上に二重に網をかけるようなものといえなくもありません。

それだけのチェック体制を敷いて、今回のような偽装を未然に防げれば成功ということでしょう。ところが今回、数多くの構造計算書をチェックしても、明らかな偽装は姉歯被告の手がけた物件だけだったのです。今後もそうそう偽装物件が登場するとは思えません。では「法律違反ではないが、耐震強度に不安がある」物件が見つかった場合はどうなるのかというと、そこまで細かい部分は未定となっています。

新設する指定機関が構造計算の審査を担当するという部分もひっかかります。建築確認の検査機関も陥った形式主義的な審査がいつのまにか蔓延し、国土交通省の官吏が天下り先を確保しただけで終わった、などということのないことを願うばかりです。

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