古来の伝統を守る式年遷宮
20年に一度の式年遷宮は、8年の準備期間を要する。来る平成25年(2013年)に行なわれる第62回式年遷宮は、平成16年(2004年)1月に、天皇陛下から大宮司が「準備を進めるように」とのお言葉をいただき、4月に正式な御聴許(ごちょうきょ・お許し)がでてスタートした。
翌年(2005年)2月に御用材を切り出す御杣山(みそまやま)を、長野県の木曽谷国有林と、裏木曽国有林に御治定 (ごじじょう・お定め)いただいて、式年遷宮最初の祭、山口祭と木本祭(このものとさい)の日時が定められた。
神宮は原則的には天皇陛下のお祭りなさるお宮である。創建のいわれ(※1)を知っていただければそれが分かる。だから今でも大切なことは天皇陛下にお伺いをしている。こうした堅い定めがあるからこそ、伊勢神宮の伝統は堅く守られてきたのである。
※1 神宮創建(この場合は内宮のみ)は約2000年前だとされている。神宮創建前まで、天照大神は皇居に祭られていた。だが、第11代垂仁天皇(紀元前69~70年頃)の時代、都に疫病が蔓延。垂仁天皇の皇女である倭姫命(ヤマトヒメノミコト)は、天照大神を別の場所に祭るために各地を巡った。伊賀、近江など各地を経て伊勢の地に入った際に、天照大神はこの地を理想郷だとして永遠の鎮座地とした。これが創建のいわれだとされている
式年遷宮最初の祭り「山口祭」
平成17年(2005年)5月2日、午前8時、山口祭が行われた。山口祭は御用材を切り出すにあたり、山の神に安全を祈る遷宮最初の祭りである。
現在の御杣山は木曽山だが、鎌倉時代まで内宮の用材は、神宮林である神路山(かみじやま)と島路山(しまじやま)、外宮では高倉山からすべての木を伐採していた。そのため、今でも古式に習い、両宮の山の入り口でこの祭りはなされている。
内宮の祭場には古代の祭場の名残であろう大きな岩がある。また古式料理の饗膳や白いニワトリがお供えされるなど、くわしくは拙著、角川選書『伊勢神宮 知られざる杜のうち』をご覧いただきたい。
山口祭が執り行われた夜には、木本祭(このもとさい)がなされた。






