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心に刻み込まれた忌まわしい記憶

もう一つ、平和な日本人には、ぴんとこない事情もある。グアテマラで、和平合意によって内戦状態がようやく終結したのは、1996年末のこと。それまで36年間も混乱の時代が続いた。

しかも80年代には、政府軍による先住民の村への弾圧が激化し、440の村が壊滅、共同体の指導者の多くが殺害された。82年には、左翼ゲリラの潜伏する村を襲撃するという名目で、各村に自警団がつくられ、結果的に、マヤ系先住民族同士の殺戮(さつりく)という最悪の事態に発展した。

このトドス・サントス村近隣でも逆殺事件は発生した。理不尽で、残酷な殺人が横行し、遺族の中には、誰に殺されたのかを知っている人も少なくないという。そんなトラウマを抱えて暮しているのである。

村を歩いていると、マンリッケが世話をしているコーヒーの生産者の息子たちに出会った。よく農場を手伝ういい息子たちだそうで、1人は、まるで日本人のような風貌である。ところが、カメラを向けると、彼らの顔が心なし、こわばる。ひょっとすると、私が日本人だと訊いて、あの忌まわしい事件を思い出したのだろうか。

トドス・サントスの祭りで出会ったコーヒー農家の息子たち

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女性が身に着けているウィピルの刺繍は、凝ったものなら1カ月はかかるという

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