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野鳥たちを
クマ調査の助手に!?

この習性を利用して野鳥の巣に集められた動物たちの体毛を調べれば、どんな野生動物が近所に生息しているかが分かります。

シジュウカラなどは、巣を中心にして半径200~300m以内から体毛を集めて来るので、ほとんどピンポイントに近い状態で動物たちの生息状況が分かります。

小鳥たちの目は私たち人間の想像も及ばない視力を持っていますから、山野に落ちている動物たちの体毛の1本1本までが見えてしまうのです。ですから、彼らのこの視力を野生動物調査の“助手”に使わない手はありません。

私はそう考えて、調査目的としたい動物が生息していそうな場所に、100個以上の巣箱を次々に設置しています。

この調査方法で、長野県では、山から続いている沢沿いの人家付近や通学路周辺の山中にも、ツキノワグマが確かにやって来ていることが分かりました。

もうすぐ「愛鳥週間」がやってきますが、全国どこでも毎年この時期になると巣箱かけが行われます。そして「野鳥が営巣してくれた」と喜んでいますが、もう少し突っ込んで自然界全体の観察に利用していくと、さらに深く自然と人間社会のことが見えてくることでしょう。

せっかく巣箱をかけるのなら、そんな実験も、してもらいたいものです。


「巣箱群」

「巣箱群」
冬の間から、時間をみてはこのように巣箱を作ります。単価は材料費だけで1つ100円。馴れてくれば1つ10分で出来てしまいます
(画像をクリックすると拡大します)


「道路際の巣箱」

「道路際の巣箱」
ここには、子供たちが通う通学路があります。こんな所にも、人知れずツキノワグマがやって来ているかもしれません
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宮崎 学(みやざき・まなぶ)

写真家。

1978年『ふくろう』で第1回絵本にっぽん大賞、1982年『鷲と鷹』で日本写真協会新人賞、1990年「フクロウ」で第9回土門 拳賞、1995年『死』で日本写真協会年度賞、『アニマル黙示録』で講談社出版文化賞受賞。他写真集・著書多数。最新刊『かわりゆく 環境・日本生き物レポート(理論社)や『ツキノワグマ』、『森の写真動物記』のシリーズが発刊中。

自身のホームページ「森の365日」では、中央アルプ ス山麓の仕事場をライブカメラにて24時間中継している。

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