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第5回 野生動物だって病気になる

2008年3月7日

写真家=宮崎 学 氏

襲ってきたイノシシ

昨日、近所の山中でイノシシに出会いました。

イノシシは、雪の融けかけた地面を掘り返して、餌探しをしていました。そこへ私が歩いて来たものですから、驚いて藪から飛び出してきたのです。私も、まさかそこにイノシシがいるなんて気付かなかったのでビックリしました。

イノシシは昨年生まれた子供なのでしょうか、体重が10kgにも満たないぐらいの小さな個体でした。イノシシの子供特有の「ウリ」模様がなかったから、身体が小さいとはいえ生後1年くらいは経っているのでしょう。

そのイノシシの子供は私を見て慌てて逃げ出しました。雪が深かったので、ヨタヨタとそれこそ雪に足をとられながら、必死で道路を逃げていきました。

「これなら、追いつける」そう思った私は、走ってイノシシを追かけました。

ところが80mほど走って追いついたところで、イノシシは急に方向を変えたと思ったら、いきなり私に向かって来ました。たとえこんな小さいイノシシでも、咬みつかれれば大怪我をします。

そこで私は、イノシシをできるだけ近づけてから、狙いを定めて首元へ蹴りを入れました。それでもなお、イノシシは向かってきましたので、もう1回蹴りを入れたところ、やっと逃げていきました。


そのイノシシは
疥癬ダニに苦しんでいた

私がイノシシを追った理由は、実はこのイノシシが疥癬(かいせん)ダニにやられていて、体毛がほとんどなかったからです。こうした病気のイノシシを実際に間近で見たかったのと、「小さな子供のイノシシだから襲って来ないだろう」と甘く見たのが間違いでした。まさに、「窮鼠(きゅうそ)ネコを咬む」状態だったのです。まあ、幸い咬まれずに事なきを得たのですが、もう少し元気なイノシシだったらどうなっていたか分かりません。

体の小さい、疥癬の影響で大きくなれなかったこのイノシシの死期は近い

体の小さい、疥癬の影響で大きくなれなかったこのイノシシの死期は近い
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