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第2回 野生動物の訪問者

2008年1月25日

写真家=宮崎 学 氏

森の仕事場

私の仕事場は、長野県の中央アルプス山麓にあります。

標高800mほどの森に囲まれた高原地帯です。

この辺一帯は、もう40年も前に別荘開発がされ、200軒ほどの別荘が建ち並んでいます。しかし、冬の寒さが厳しいところなので、40年も経てばオーナーも嫌気がさし、安い値段でどんどん売りに出されています。そして、現在では二代目、三代目というオーナーに変わっています。

私も、こうして売りに出された古い別荘を手に入れ、そこを仕事場にしているのです。今の仕事場を選んだ理由は、樹齢50~70年といった樹木があって、その間に建物が適当な空間をつくっている環境なので、こういうところには野生動物が多いに違いないと判断したからです。これまでの観察から、野生動物は純然たる森よりも、適度に開発されて、人の少ないところがお気に入りだということが分かっていたので、人と自然を同時に観察しながら、生きものたちの心理を探っていける環境が欲しいと考えたのでした。


中央アルプス 宝剣岳

中央アルプス 宝剣岳
(画像をクリックすると拡大します)

訪問者たち

この私の読みは、見事に当たりました。実際仕事場に、多くの野生動物たちがやって来ていたからです。

冬になれば、雪の上に動物たちの足跡がつきますから、どんな動きをしているかが一目瞭然です。そんな足跡から、私の仕事場にはリス、タヌキ、キツネ、テン、イノシシ、ハクビシン…など、多くの動物たちが出入りしていることが分かりました。テンなどは野生動物なのに、まるでネコみたいにふるまって、仕事場の縁の下やベランダまで平気で走り回っていました。そして、敷地境界線のフェンスやブロック塀の上を「けもの道」にして、運動会を開いていたのでした。このように野生動物たちの行動を目の当たりにすれば、彼らは人間の存在なんてほとんど気にしてないことも分かります。


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