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莫大なデジタル情報に
かき消されそうな現実の記憶

さて、ここまでがいわゆるフィルム式カメラ。デジタルカメラには当初、抵抗してみたものの、ご多分にもれず、その利便性に“陥落”した。最近では、仕事で使う一眼レフとして「Canon EOS」、普段はRICOHの「GR DIGITAL」と「R8」を持ち歩いている。

実際に使ってみると、フィルムカメラとデジタルカメラはその構造以上に、「撮る」という行為と意識において別ものであることに気付く。

フィルムカメラの場合はまず、考えてから撮る。その結果、シャッターを切った瞬間のイメージは良くも悪くも、ほぼその通り写っている。それに対し、デジタルカメラの場合は撮りながら考える。シャッターを押すと、目の前にある現実の世界が、複雑な電子回路やプログラムの解釈を経て、瞬時に別の1枚の絵となって現れるのだ。

さらに、その解釈はカメラによって異なる。だからモニターに映し出された画像に「おっ」と驚くことがある。そうして、私の頭の中には現実のイメージと仮想のイメージという“二重の記憶”が蓄積してゆく――。

これは写真の世界に限ったことではない。映画の特撮やゲームのCG、インターネットで配信される情報は、現実の世界以上に“リアル”な視聴覚体験として強い刺激を記憶に残す。今や“現実の記憶”は、加工された情報のノイズにかき消されてしまいそうだ。

文化とは集団の記憶の蓄積だと定義するなら、現実とかい離した記憶で作られる文化がサステナブルであるはずがない。デジタル情報が良いとか悪いとかではなく、問題はその莫大な量にある。

果たして長い時間を経た後に残っているのは、実像の世界と虚像の世界、どちらのイメージだろうか。

中ほどのリングを指先で調節して絞りをセットし、被写体までの距離を目測で測って、手前のリングを回してピントを合わせる。小さな作業をエレガントにこなしながら、作画イメージを組み立てていくのが「MINOX 35GT」の愉しみ

中ほどのリングを指先で調節して絞りをセットし、被写体までの距離を目測で測って、手前のリングを回してピントを合わせる。小さな作業をエレガントにこなしながら、作画イメージを組み立てていくのが「MINOX 35GT」の愉しみ
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「第3回 サステナブルデザイン国際会議」開催のお知らせ

 
日程: 2008年12月7~9日、12日
場所: 港区立エコプラザ、東京ビッグサイト
内容:
「Steer toward Sustainable Society サステナブルな社会に向けてデザインの舵を切れ!」をテーマに、グリーンピース・ジャパン事務局長の星川淳氏(作家)や国際デザイン・リソース・アウォード主宰のトム・ジョンソン氏(建築家)を招いての講演、その他パネルディスカッションやワークショップを通し、デザイナーはいかに行動に移すべきなのかを考える国際会議です。詳細、お申し込みはこちらから。


※参考: 「第2回 サステナブルデザイン国際会議」の様子



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益田 文和

インダストリアルデザイナー。株式会社オープンハウス代表取締役。LLPエコデザイン研究所所長。東京造形大学デザイン学科教授。

エコデザインの第一人者として地球環境を見据えたエコデザイン、サステナブルデザインをテーマに幅広く活動。プロダクトデザインのほか、企業へのデザインコンサルテーション、日本各地での地場産業振興、国際的な各種プロジェクトにも携わる。

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