大手コーヒーショップ発祥の地
米シアトルで生まれた“コーヒー豚”
コーヒー豚といっても、どんぐりで育ったイベリコ豚のように、コーヒーばかり飲ませて育てた豚の話ではない。文字通り“コーヒーの粉で出来た”豚の貯金箱のことである。
2001年、アメリカ合衆国ワシントン州シアトル市で、建築家トム・ジョンソン氏は自宅のガスレンジをめぐって妻のバーバラとちょっとした言い争いをしていた。
「トム&バーバラ・ジョンソン」といえば、20世紀から21世紀にかけての約10年間、Design with Memoryのコンセプトの下、世界中にリサイクルデザインのムーブメントを巻き起こしたデザインコンペティション、国際デザイン・リソース・アワード(IDRA)の創立者である。
トムは無類の素材好き(世の中には「マテリアル・フリーク」とでもいうべき人が結構いるのである)で、特に新しいリサイクル素材には目がない。世界中から彼のコンペに応募してくる作品の、美しいリサイクルプラスチックやガラスやアルミや木や紙などのユニークな使い方に、1番感動していたのもトム自身だった。
そのトムがそのころ気になっていたことの1つに、コーヒーショップのゴミがある。彼の住んでいるシアトルは、世界中に展開しているいくつかのメジャーなコーヒーショップチェーンの発祥の地としても知られている。
そうしたコーヒーショップで売られ、飲まれるコーヒーの量もさることながら、あの巨大なエスプレッソマシーンで次々とコーヒーを抽出した後の粉のかすや使用済みのペーパーカップの量はどれほどあるのだろうか? そうした廃棄物の処理はどうなっているのだろうか?
そんなことを行きつけのカフェのカウンターで馴染みの店員と話していて(トムは大手のコーヒーチェーンのコーヒーは嫌いなのだ)、コーヒーかすの一部は家畜の飼料や肥料にすることもあるが量的には多くないということ、ペーパーカップはリサイクルに出すものもあるが、カップの内側に防水用の薄いプラスチックフィルムがコーティングされており、これをはがすのが厄介だというようなことを知った。
「かわいい」「かわいくない」の感覚は地域や文化の違いによって大きく異なるが、おそらくロトモールディング(回転成形)の工場でテスト成形に使っていたサンプル用の金型なのであろう。妙にリアルでグラマラスなコーヒー豚である
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