「サイクルモード」は今年も大盛況
自転車の未来はどこにあるか、ハード面から考えるならば、毎年恒例の「サイクルモード」に行ってみるのが一番いい。
今年も10月の末から11月のアタマに掛けて、大阪・東京で開かれた日本最大級の自転車展示会。テレビ大阪、テレビ東京の努力もあって毎年大盛況だ。
いやー、行ってみると分かるけど、自転車ブーム、きてるなぁ。ただし都市圏。
「ただし」を付けるのは、やはり地方ではまだまだだと思わざるを得ないからだ。地方でもこのところ自治体やNPO法人などが主催する「自転車シンポジウム」「自転車フェスタ」のたぐいが急増しているんだけど、やはり、動員数に圧倒的な差がある。
何が違うって、地方の場合はいわば「最初から自転車ファン」に「+α」というのが主流なのに対して、都市圏の場合は「まだ自転車(非ママチャリ)買ってない」「これからやってみようか」という人まで集まるってことだ。サイクルモードの大阪会場なんて、もう場内をまともに歩けないくらい(東京は「ツールドおきなわ」と開催日が重なったことで、大阪よりは若干マシ)だった。
やはり自転車というものが、「シティ・コミューター」であること、そして、何だかんだ言っても、まだ地方は「クルマ社会」のほうに優先性があることが影響しているのだろう。
しかし、自転車の時代は近い将来、間違いなく全国的に波及する。それは欧米の先進諸事例を見ていても、ほぼ「未来の現実」となると思う。
さて、サイクルモード、昨今、各社展示の主力はもちろんロードバイクである。
ほんとに、はやってるからねぇ。都心の目抜き通りにもロードバイクを見ない日、いや、局面は、もはやないといってもいい。道路の向こう側、こちら側、車道上に、ドロップハンドルの自転車がこれでもかと疾走している。渋滞の都心にいて、あれらの自転車を見ていると、おお、いいな、オレもアレに乗ってみようかな、という人が増えるのは大いにうなずける。実際に速いからね。あと気持ち良さそう。それとオシャレ。知的にすら見える。
だが、現実としての売れ筋は、実はクロスバイクなのだそうだ。
それまた当然で、理由の1番手は「安いから」。10万円以内でちゃんとした「軽い自転車」「速い自転車」が買えるジャンルはクロスバイクしかない。これは本格ロードバイクにはまねのできない話だ。
最初は「ロードバイクが欲しい」と思った人も、実際にショップに行ってみて、数十万円のプライスタグを見て驚愕し、「これではちょっと……」と、店員に聞く。しかして、店員も「そういう使い方なら、クロスバイクでも十分なのではないでしょうか」とクロスバイクを薦め、「おお、これもいい、オレにはこれで十分じゃないか」となるという寸法だ。それはそれで悪くない。
また、「チクショー、ならば、20万円(または30万円、40万円も可)ためちゃるぞ」と考える人もいる。それもそれで悪くない。ロードバイクは決して逃げていかない。
でも、昨今のこの経済危機。来るべき不況を考えるなら、今のところはクロスバイクだ、と考える人は多いだろう。それもそれで悪くない。いや大正解だろう。30万円のロードバイクを買うのは、「自転車って、こんなに素晴らしかったのか! オレはこれからは自転車で生きる!」と決意してからでも遅くない。
きっと2~3年で決意するとは思うけど。

「サイクルモード2008」東京会場(撮影:永渕元康)





