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「自転車ブーム」の主役とは

スポーツ自転車は、現在、確かにブームの中にある。

例えば毎週末(と言ってもいいだろう)、全国各地で行われる大小の草レースには、数千人レベルの、驚くほどの人が集まる。大会によっては、参加権が毎年抽選、プラチナチケットになっているものすらある。昨今は「町おこしの切り札」として、自転車イベントを生かそうという動きも各地で起きているくらいだ。

ハイスピードを競ったり、とんでもない距離で勝負するハードなレースがある一方で、着順位を一切決めないサイクリングイベントもある。

ただ、それらの大会には必ず共通点があって、いずれも参加者の中心となっているのが「中高年男性」なのだ。

例えば乗鞍のヒルクライムレース(編集部注:日本最大級のヒルクライムレース「全日本マウンテンサイクリングin乗鞍」)をとっても、ダントツで40歳代が多く、次いで50歳代、で、ようやく30歳代と60歳代が同レベルという年齢構成となる。

乗ってる自転車もすごいぞ。彼らにとって30万円や40万円の自転車は既に当たり前。50万円オーバーなどという人も全く珍しくない。

おそらく取っ掛かりとしては「メタボ」あたりが、自転車趣味に手を出す一番の理由なんだろうけど、それ以外に、彼らが自転車にハマッていく理由がある。

それは、既に述べたように、彼らの一人ひとりが「かつての自転車少年」だったこと。そこに加えて、あの時代への、ある種の愛着と、あこがれのようなものだ。

あのころ、テレビにもマンガ雑誌にも自転車の広告があふれていた。今の少年少女たちには信じられないかもしれないが、自転車というものはそれなりに(いや非常に)高価で、あこがれの対象だったのだ。

先に挙げた「ロードマン」にしても、1台約5万円。当時の価格で、である。現在に直したら20万円超というところだろう。あのころ、月賦でようやく買えた、もしくは、買ってもらえなかった、高価な自転車に、今なら楽に手が届く。このあたりにブームの1つの理由があると思う。

つまり、現在の「自転車中高年」のマシンはいわば「大人買い」の自転車なのだ。「30~40万円など当たり前」の理由もおそらくはここにある。

しかも乗ってみれば、目から鱗。あのころより格段に性能が向上している。あまりのスピード、快適性に驚く。その結果、草レースのリピーターとなる。どの大会も毎年盛況となる。

『サイクル野郎』第1巻

(C)Toshio Shoji(出典:『サイクル野郎』第1巻、ebookjapan
輪太郎少年も参加していた自転車レース
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