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温暖化防止効果

さて、いよいよ環境負荷の推定です。CO2評価は絶対的ではありませんが、地球温暖化の指標として議論の対象となっているので重要です。灯油、都市ガスは消費量又は熱量に係数を掛ければ出ます。ここでは狭義のエネルギーだけを取り上げ、水の消費やゴミ出しによるCO2排出は含めません。

電気による排出量が少し複雑です。普通の消費なら0.36kg-CO2/kWh(全電源平均)と言う係数を掛ければ算出できますが、逆潮流(配電網へ送り返す電気の流れ)によってどの発電所の燃料消費が抑えられたかという判断によって、削減効果の評価が異なるからです。需要側での省エネなどによる需要量変化への対応は、常に火力発電が受け持っています。したがって、逆潮流による発電抑制は火力発電の出力を抑えた、と見なすのが素直な考えです。

しかし、世の中には色々な考え方がありますから、ここでは3種類の前提を立てました。(1)単純にすべての電気を平均値(0.36 kg-CO2/kWh)、(2)売り買いとも火力平均(0.69kg-CO2/kWh)、そして(3)買うのは全電源平均、売るのは火力平均でマイナス、とそれぞれ考えます。太陽光で発電して使う自家消費分は本来電源抑制にカウントしてもよいものですが、ここでは単純にCO2排出ゼロとします。その他のCO2排出係数は、都市ガスが0.0513 kg-CO2/Mj、灯油が0.0685 kg-CO2/Mjとします。

以上の前提でわが家からのCO2の排出量の推移を算定しました。なお、自家用車からのCO2排出抑制も家庭でできる対策ですが、統計上では運輸部門で算定されるので、家庭用エネルギーに自家用車の利用は含まれません。いずれにせよ私はクルマを持っていないのでゼロです。

図5 CO2排出量の推移、標準値は「家庭用エネルギー統計年報2005」の近畿データより推定

図5 CO2排出量の推移、標準値は「家庭用エネルギー統計年報2005」の近畿データより推定

ここで比較対象に取り上げた「標準」は近畿における1世帯当たりCO2排出量の平均で、単身世帯を除いた統計なので家族数は3人程度と見られます。これに比べて3人居住の頃は、(1)全電源平均と(2)火力平均が1000kg前後、(3)の併用が500kg前後です。2人になった2004年以降はエネルギー消費量が減り獲得量は変わらず、CO2排出量が顕著に下がっており、(3)の方式では、何とマイナスになっています。排出量より排出抑制量の方が大きいのでこうなります。いかに火力発電によるCO2排出の影響が大きいかを実感します。

最も控え目な全電源平均による算出でも、2004~7年の平均は555kg-CO2ですから、世帯当たりでは標準の1/6以下、1人当たりで考えても1/4程度の水準です。

建築的な改善、効率の高い設備、自然エネルギーの活用、節約型の暮らし方などを総動員すれば、住まいのエネルギー消費によるCO2排出を1/4にすることも、評価方法によっては差し引きゼロ=carbon neutralも不可能ではないことを示しています。“成せばなる、成さねばならぬ何事も……”が思い浮かびました。


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濱 惠介(はま・けいすけ)

エコ住宅研究家。

大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所 研究主幹。

日本住宅公団および住宅・都市整備公団で都市住宅建設・住環境整備に携わる。その間、東京大学工学部 非常勤講師などを経て現職へ。研究領域は「エコロジカルな住まい・生活・街づくり」。

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