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ファンクションとオブジェクト
その会話が空間を生む

「僕らが作品のなかに使っているコンテナ、タンク、飛行機なんかは、その内側にスペースを持っていて、とても建築的なものを感じる。例えばタンクだったら、まずは全体を観察して、それから丸いところをジッと見る。そこから何か機能が得られるかを発見する。そこではファンクションとオブジェクトの会話がある。ファンクション側が何を必要とされているかに思考を派生させる。オブジェクト側からはフォルムそのものがどう使うべきかを教えてくれる。そしてそのタンクは、“切って開く”ということを発見させてくれた。あるいは機能が先行して、それに適したフォルムを探してくることもある。ファンクションとオブジェクトのダイアログが空間を生んでいく。このスタジオも、そうやってつくられていった。」

「僕らがここに来たことによって、街の雰囲気も変り、市も奨励してくれている。最初は本当に何もなかったけど、今はナイトクラブやシックなレストラン、ダイナーができ始めている。10年前は“チャイナタウンより安い”、という理由から越してきたんだけどね。当時から、この場所は時間による断層的なレイヤーがあって、とても面白い場所だった。つまり朝は完全にミートプレイスで、オーバーウォールを着たいかつい男たちが働いている。昼間はガランとしていて誰もいない。夕方になるとまた違った人種がウロウロしている。そうやってさまざまな階層の人たちが、一緒の場所で違う人生を送っているのを定点観測することが面白かった。そういう意味では、まさにNY的な場所、と言っていいかもしれない。さまざまな人種、階級、職業の混在、洗練された世界とそうでない世界の同居、センターではなくてローカル……、M.P.D.は、今そういう場所になっている」。

最近、M.P.D.に建った名物ホテル。

最近、M.P.D.に建った名物ホテル。古い建物の上に新しいボリュームが乗っかっている斬新なデザイン。

LOT/EKのジョゼッペが東京にやってきたとき、僕は満を持してとっておきの場所に連れて行った。カプセルホテルだ。間違いなく彼が好きな風景だと確信していた。案の定、興奮して写真を撮りまくっていたことを思い出す。

「ここに人が並んで寝ているのか!? 『マトリックス』並にシュールだな。しかも、このコックピットのような空間、すべて動かずに手が届くじゃないか。アーキグラムのスケッチは、日本では日常なんだな。」

カプセルホテルに見られる、日本人の即物的で、空間を限界まで使い切る感覚は、どこかアーティスティックでもあるらしい。


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馬場 正尊

建築家/OpenA代表取締役

1968年 佐賀県生まれ。1992年 早稲田大学大学院建築学科修士課程。1994年 株式会社 博報堂。1998年 早稲田大学大学院建築学科

博士課程。雑誌『A』編集長を経て、2002年 OpenA設立。

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