大規模に行なわれた
建築関係者によるサッカー大会
僕の事務所、「OpenA」は大きな年中行事を抱えている。それが「A-cupサッカー大会」。これは毎年7月に行われる建築家だらけのサッカー大会。6回目となる今年は、茨城県の波崎にあるグラウンドで開催された。参加者は27チーム、650人。そしてその全員が建築関係者たちである。「OpenA」はその大会の主催事務局を行っている。では、なぜそんな風変わりなサッカー大会が行われているのか? それには建築とサッカーの共通項に起因している。

グランドの向こうには、巨大な風力発電の風車が回っている。波崎は環境とサッカーで街おこしをしている。
現代建築とサッカーの間には、何か不思議な親和性がある。断言してもいい。 その両者の親和性は、かつて元日本代表監督・トルシエが「フラットスリー」という表現を使い、アーティストの村上隆が「スーパーフラット」と言い出したあたりで決定的になった!? とにかく「フラット」という概念が重要なキーワードになっているのは確かだ。実際、現代の若手建築家には、なぜか圧倒的にサッカーフリークが多い。学生時代はサッカー部で鳴らした人間も数多くいる。建築家たちの、建築家たちによる、建築家たちのためのサッカー大会、それが「A-cup」だ。
それは日本でワールドカップが開催された2002年、100人程度の建築関係者たちが集まって始まった。Aとは、もちろん“Architecture(建築)”の頭文字。もとはといえば、僕が編集長をやっていた雑誌『A』12号でサッカー特集をやったときに、「サッカーをアナロジーにして、都市と建築を考える」という悪ノリ対談を行ったのがきっかけだ。そのときのメンツは、阿部仁史(※1)、石田壽一(※2)、塚本由晴(※3)、磯達雄(※4)、そして僕。
噂が噂を呼び、6年目の今年は、北は仙台から南は大阪まで計27チーム、650人の建築関係者たちが集まる大会になってしまった。普通に考えれば絶対スケジュールが合いそうにない多忙な建築家たちも、なぜか毎年7月の第一日曜だけは1年前から空けてあり、不気味なほど豪華なメンバーが集まってくる。今では建築学会に次ぐ規模を誇るようになってしまった。
この大会の醍醐味は、いつもは少々偉そうで、賢いことを言っている建築家たちが、スタッフや学生たちにもてあそばれるようにドリブルで抜き去られている姿を見ること。その姿は建築家の威信を大きく傷つけるが、はたから見ているぶんには大いに笑える。
※1 建築家。「阿部仁史アトリエ」創立者。東北大学工学部建築学科都市デザイン学講座教授。
※2 九州大学芸術工学部環境設計学科環境設計学教授。
※3 建築家。東京工業大学大学院助教授。92年に貝島桃代と「アトリエ・ワン」を設立。
※4 建築ジャーナリスト。フリックスタジオ共同主宰、桑沢デザイン研究所非常勤講師、秋田県立大学非常勤講師などを務める。

総勢650人、そのすべてが建築関係者。開会式は圧巻であった。





