寂れた民宿になんとなく長期滞在してしまうヒロイン。徳井が演じる民宿の主人の無骨な温かさと自然の優しさに癒され、本来の明るさと、いい意味でのいい加減さを取り戻していく様子に、幸せの本質を見出す人も多いはずだ。世界の中でも自殺率の高い日本人。そんな現実を、“自殺できなかった女性”を演じた加藤はどう考えているのだろう。
「人は、より多くの幸せを感じるために生きているんじゃないかと思うんです。この映画を見ていただけると、本当に何てことのない、これまで幸せだとも思わなかったようなことを幸せに感じられるようになると思います。自然と人に癒されて、千鶴を通して何かが伝わればいいな、と」
ストーリー 恋にも仕事にも行き詰まり、日本海に面した京都・宮津にやってきた千鶴(加藤ローサ)。自殺を試みた彼女だったが、なぜか果たせず、なんとなく人里離れた民宿で暮らし始めることに。ワケありそうな宿の主人(徳井義実)の寡黙な温かさと田舎の空気に癒され、千鶴は本来の伸びやかさを取り戻していくが……。人気作家・瀬尾まいこの同名小説を映画化したファンタジックなラブストーリー。
橋爪 さつき
一般企業でのわずかな会社員生活の後、映画雑誌、料理雑誌編集部員、フリーランスを経て、企画編集会社キッチュを設立。いくつかの映画サイトを企画運営する一方、男性誌「Pen」女性誌「PHPスペシャル」などでも執筆。「韓国映画俳優事典」「冬のソナタ『キム次長』クォン・ヘヒョと学ぶハングルスタートブック」(共にダイヤモンド社)などを編集。