生まれ持った運と、時代を感じ表現するセンス。役者は、技術的なものだけでなく、つねにその感覚も研ぎ澄ましていかなければならない。
「生涯勉強だと思いますが、ただ、40代になってから、変わったこともあります。それは、次世代の何かを育てる、人を育てるといったらおこがましいと思ってしまいますが、…人との関係を育てていくということに、意識を注がなければならないと思うようになったことです。
自分がこうありたいという欲求のままに、好きなように生きることは、多少のリスクはあってもできないことではありません。けれど、40歳を過ぎればある程度の地位もついてきますし、上に立つ者として“関係を築く”立場にまわらなければならないと感じるのです。関係性の未来を拡げることができるかどうか、人を育てることに意識が向けられるか否かが、“大人”になれるかどうかの分岐点であり、それを考えるのが今の年代なのだと思うのです」
少し、意外かもしれない。メディアを介して見る本木雅弘は、いつもどこか先鋭的で、世間体など気にしていないようにも思えたから。
「正直な話をすれば、今の自分は、自分の意見で心から話しているというよりも、どこかでこの辺が真っ当かなという言葉を選んで…ちょっと美化して話していますから(笑)。10年後には、(もっと)確かな自分の言葉で語ってみたいと思います」






