今ここにあることがすべて

これまで、ひたむきな青年から悪役、コミカルな役どころまで、多彩な役柄を演じ分けてきた上川。「自分はこういう役者」「役者として目指すところ」を言語化することは、自分を限定してしまうことになるのであまり好きではない、という。だが一つ一つの質問に丹念に、的確な言葉を探しながら答える様に、役者として、人としての彼の在りようがそこはかとなく、透けて見えた。
「『ウーマン・イン・ブラック』をやってみて強く感じたのが、『これが僕にとってのお芝居の最小単位だ』という事。芝居は誰かとやるものであって、その最小単位である二人芝居を体験してみると、こんなに濃密で楽しいと思い知らされました。同時に、僕には相手がいない空間、つまり一人芝居は考えられないと感じました。
自己表現としての演技、ですか?そういう部分、僕は全く求めていません。むしろ、上川隆也の氏素性を芝居に持ち込む必要は全く感じない。では、なぜ芝居をやっているのかというと、それは単純に、芝居が楽しいから。
キャラメルボックスに入ってからずっと、楽しいという思いは今も続いています。結局、その一点に収束するんですよね。そういう自分が今、ここにある事。それが全てです」





