ヴィクトリア朝の英国を舞台に、1人の女性の悲しみと怨念の物語を、たった2人の俳優が語り、演じる『ウーマン・イン・ブラック』。ゴシック・ホラーの決定版としてロンドンでは19年間もロングランしている人気作だが、最小限の小道具しか使わず、観客の想像力を喚起するとあって、古来から「怪談」に馴染む日本人とも相性がよく、92年からたびたび日本版が上演されてきた。上川の出演は99年以来、3回目となる。
創意工夫できる楽しみ

「確かに作品はホラーで、本当に怖いという声はよく伺います。けれど、演っている当人としては、恐怖より充実感でいっぱいの舞台なんです。
先日、共演の斎藤晴彦さんが『この舞台は役者には最高の遊び場だ』と仰っていたのですが、本当にそう。物語は理路整然としているのですが、演劇的にはト書き(台本の説明文)で決め込まれていないグレーゾーンがたくさんあって、役者がいくらでも創意工夫できる楽しみがある。二人芝居という事もあって、日によって色々なハプニングもある。でも、それはそれでいい、と演出家のロビン・ハーフォードさんはおっしゃいます。
ホラーをお届けする演者として正しい表現なのかどうかわかりませんが(笑)、斎藤さんも僕も、今の稽古を非常に満たされた気分で過ごしています」




