魂が反応するピアソラの「リベルタンゴ」
アルゼンチンタンゴを踊るようになったきっかけであるピアソラもそうですが、私も異端児や革命児とは言われますね(笑)。
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でもだからこそ、彼の曲にのめりこむところもあります。
ピアソラの曲でいつも心が熱くなるのが、「リベルタンゴ」(1974年)なんですが、この曲にこめられているのは、ピアソラの人生そのものだと思うんです。精神の自由を求めて作られたもので、彼の思い、生き方が集約されているからこそ、私自身の魂が反応してしまう。
それは若いころからそうでしたが、ただ当時はその理由がわからなかった。この年代になって、「リベルタンゴ」にのめりこむのはなぜか、ということを、ようやく自分の言葉で説明できるようになってきました。
ですから、9年前にアルゼンチンタンゴを踊り始めてからは、必ず私の定番にしている曲です。「リベルタンゴ」の解釈の変化とともに自分の人生があるといっても過言ではない。とらえ方がじょじょに変わってきています。それと同様に、自由に対する信念のあり方や覚悟も変わってきています。今ではそんな自由に伴うリスクも含めて自由を愛していますが、やはり若いときには迷いもありました。それは踊りにも反映されていたことでしょう。
今のほうが、自由がいかに厳しいかということがわかっていますし、同時に自由がどれほどすばらしいかということもわかっているということはありますよね(笑)。
そもそも人間は、苦しみや哀しみのなかからしか変わらないもの。楽しいだけでは何も変わらないし成長しない。楽しくてどんどん転落していく人はいますけれど、楽しいだけで向上していく人間は1人たりともいないんです。
いい意味での変化というのは、苦しみや哀しみの中でしか成立しないんです。
たとえば私も時間的にも肉体的にも厳しい状況でなぜやり続けるのか、なぜこんなに大変なことをしているのかと思うことも正直ありますし、体が故障することもあります。でも踊り続けることができているのは、結局、自分の「魂が喜ぶ」ということをリアリティを持って実感しているからだと思います。
今、私は二人の先生と一緒に週一度、教えていますが、なかには小学校のフォークダンス以来、踊ったことがありませんという方もたくさんいらっしゃいます。でもその方たちも時間をかけてやり続けることによって習得していく。その気になればいつでも始められるんです。そして今までダンスに触れたことのなかった皆さんが、ダンスによって人生そのものに大きな影響を与えられているということを目の当たりにするにつけ、改めてダンスのすごさを実感します。
たとえば、少しうつ病を抱えている方が明るくなることもありますし、外出することが億劫だった方でも私が定期的に開くパーティーに出かけることの楽しさを知ってくださったり、社交の場が広がったり。ちょっとしたことで人生がこれほど変わるということに気づく、そのきっかけがダンスになれば、昔から私が目指している「日本人ラテン化計画」(笑)が達成できるかと。





