知的な役柄にとどまらず幅広い役柄をこなす女優、吉本多香美さん。10代の頃から何度もアフリカを旅し、現地の人たちと心を通わせ、大自然を愛でる彼女には、「自然体」という言葉がよく似合う。自転車を趣味にしている彼女は、自転車に乗ることを日常の中にナチュラルに溶け込ませ、楽しんでいる。単にブームとしての自転車ではない、ごく自然な楽しみ方を聞いてみた。
自転車は感覚を研ぎ澄ましてくれる

自転車を操るとき、クルマやオートバイでは感じられない自然との一体感を抱きます。それはまるで自分の手足のような感覚。自転車に乗った瞬間、流れる時間のスピードが切り替わり、まるでフィルムのように風景が眼に飛び込んでくるんですね。それは速すぎず、ゆっくりすぎもしない、ほどよいスピード感ですね。現代社会で忘れられた五感に対する刺激が自転車にはあるんです。
本来なら、私たちが暮らす土地には匂いがあり、風の香り、夕日の眩しさや木々のざわめき、虫の鳴き声なんかをもっと敏感に感じているはずなのに、都会にいると五感がだんだん鈍ってくる。それは騒音、排気ガスなど、いろいろなストレスから自分の身を守るためにカラダが人間の持つ本来の感覚を自分で閉じてしまっているのかもって思うんです。だって、敏感な感覚だと、都会に住むには、あまりにもストレスが多いから。ところが、自転車は、鈍くなっている感覚を目覚めさせてくれます。自転車は、自分の五感を研ぎ澄ましてくれるんです。




