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イタリアのバリスタは接客のプロ

日本でバリスタというと「エスプレッソを淹れたり、ラテアートできる人」という印象を持たれている方が多いと思いますが、イタリアではバール(bar)のカウンターでエスプレッソやお酒を作ってサービスする人をバリスタ(barista)と呼びます。バリスタは接客のプロです。

イタリアで修業する際に「指先からつま先までその人の身なりを見ろ」と言われました。例えば「短い爪が油で汚れているから肉体労働者だ」と判断して、少し濃い目に20ccのエスプレッソを淹れる。肉体労働をする人は刺激物を好む傾向が強いと言われているからです。それから「客同士の会話も聞け」と言われました。「昨日、飲み過ぎて胃がムカムカしている」と話していれば、「胃の消化を助けるために酸味を強くしよう」と。そこまで考えてサービスするのがイタリアのバリスタなんです。

エスプレッソという言葉には「速達」「特急」という意味の他に、「あなたのために」という意味合いがある。だから僕などは外資系コーヒーチェーン店などでコーヒーをサービスする際、「カプチーノお待ちのお客様!」と叫ぶのを聞くと、「僕のために作ってないじゃん」と思っちゃう(笑)。イタリアのバリスタはそういうことは絶対にしないし、あり得ないです。

またエスプレッソを美味しく淹れられるバリスタは、一連の動きがきれいだしサービスもいい。イタリアではバリスタによってエスプレッソの味が異なるので、店ごとにだけでなく人によってもいろんな味が楽しめます。

「デルソーレ」は現在6店舗展開していますが、生活の一部として利用してもらったり、皆さんで楽しんでもらったりと、地域密着型を目指しています。そうした中で、エスプレッソがお客さまとのコミュニケーションツールになってくれるとうれしいですね。

イタリアのバールには軽い料理しかありませんが、「デルソーレ」は日本式のバールなので食事もしっかり出していますし、ワインも置いています。将来、この店のバール形式を本場イタリアに逆輸入したいと思っています。いつかはイタリアと日本のバールをインターネットで接続して、お客さん同士で「あいつ、また来てるよ」というようなコミュニケーションができると楽しいですね。それがイタリアに対しての恩返しになればいいなと思っています。

横山千尋 (よこやま・ちひろ)

 1962年愛知県生まれ。

 1994年バリスタ修行渡伊。2002年に第1回のジャパンバリスタチャンピオンシップに優勝し、日本人としてWBC世界大会に初参加を果たした。2004年、ワールドラテアートチャンピオンシップ2位入賞。2001年6月に株式会社フォルトゥーナを設立し、「デルソーレ」ブランドの店舗を展開している。著書に『CHIHIRO YOKOYAMA Barista Book~トップバリスタのすべて~』(旭屋出版)、『おうちでいれるエスプレッソのおいしい法則』(池田書店)がある。

『イタリアバール』 旭屋出版/横山千尋・著/2009年1月発売

『イタリアバール』

旭屋出版/横山千尋・著/2009年1月発売

Bar DelSole 赤坂見附バール・デルソーレ

イタリアのバールのように朝から夜まで毎日気軽に立ち寄れる店を作りたかったという横山千尋さんの思いが込められた店。バリスタが作る本格的なエスプレッソを始め、イタリア産のワインやウイスキーなどが揃う大人のための店だ。毎月テーマが替わるイベント「バリスタ・カフェ」では1カ月限定の味も楽しめる。「バール・デルソーレ」のエスプレッソは、赤坂見附店の他にも六本木本店、高輪店、銀座2Dueでも味わえる。


住所 東京都港区赤坂3-19-10 アパヴィラホテル赤坂見附1F
TEL 03-3568-1226
営業時間 月~土曜日:7:00~24:00(L.O.23:00)
日・祝日:7:00~23:00(L.O.22:30)
定休日 年中無休
アクセス 東京メトロ「赤坂見附駅」徒歩1分
URLhttp://www.delsole.st/

Part 2: “家カフェ”を愉しむ 厳選コーヒーメーカー & 至高の豆 へ

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