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Part 3:特別対談:作家 馳 星周さん&穴澤 賢さんに聞く 犬の一生 と 犬との暮らし

2009年2月18日

 1996年に『不夜城』でデビューし吉川英治新人賞を受賞して以来、数々の暗黒小説を生み出してきた小説家、馳星周さん。一方で近年ではバーニーズマウンテンドッグの「ワルテル」と「ソーラ」との日々をつづるブログ「ワルテルとソーラと小説家」でその愛犬家ぶりを披露し、ファンを驚かせてもいる。

 その馳さんの著作『走ろうぜ、マージ』は、悪性組織球症という癌にかかってしまった馳さんの初代の愛犬、マージとの、軽井沢での生活が描かれた感動のノンフィクションだ。この本を読み、感銘を受けたという「富士丸探検隊」でもおなじみの穴澤賢さんが、今回は馳さんに愛犬たちとの別荘地での生活、東京を離れて家を建てることなどについてインタビュー。まだ少し雪の残る軽井沢にお邪魔し、話を聞いた。

(写真=広路 和夫 撮影協力=アートホテルドッグレッグ軽井沢

犬のためと思って家を建てたら 人間のほうが気に入ってしまった

穴澤 賢(以下 穴澤) そもそも最初にマージを飼おうと思ったきっかけはなんだったんでしょう?

馳 星周(以下 馳) 昔から大型犬がほしかったんです。その頃は貧乏なライターだったんですが、自分が持っていた連載で「犬が飼いたい」と書いたら、バーニーズマウンテンドッグのブリーダーさんで俺の文章のファンの方がいて、「良かったら“言い値”でお譲りします」と勧めてくださって。実はその時点ではバーニーズマウンテンドッグが、大型犬だ、ということ以外どんな犬かも知らなかったんですが、会いに行ったら、反則的にかわいくて!

穴澤 (笑)そうですよね。

 もう動くぬいぐるみですから、2カ月くらいのバーニーズマウンテンって。それで飼う事になったんです。

穴澤 子供の頃から犬を飼っていたんですか?

 祖父は飼ってましたけど、両親は犬はいつか死んでしまうからいやだ!といって飼わせてもらえなかった。

穴澤 ところで、『走ろうぜ、マージ』を読むと、そもそも軽井沢に住もうと決めたこと自体、犬のためだったんですよね。

 当時、ワルテル(オス、5歳)とソーラ(メス、3月で2歳)の先代であるマージ(メス)が、現代の医学では治療法のない悪性組織球症にかかりました。病気が発覚したのが3月で、その時点で余命3カ月と宣告されました。彼女は11歳でしたが、最期まで東京で過ごさせるのは、かわいそうだなと思ったんです。

ちょうどその年のゴールデンウイークに、軽井沢に別荘を持っている友達に誘われて、軽井沢に来ることになりました。そうしたら、東京ではよぼよぼ歩きしかできなくなっていたマージが、初めて来た軽井沢に着いたとたん、走り回ったんですよ。ああ、そんなに、自然の中がいいのか、と思いました。

それで、余命3カ月と言われたものの、これならもうしばらくは元気でいてくれそうだなと感じられたので、夏の間の3カ月、貸し別荘で過ごすことにしたんです。7月20日から滞在しました。ワルテルもすでに一緒にいたんですがまだ1歳ちょっとだったから、それこそ今日の富士丸のように走り回っていて(笑)。

そういう彼らの姿を見るうちに、それほどいいのなら別荘を買ってときどき軽井沢で過ごしてやろうじゃないか!と思って土地を探し始めました。ところが、いざ家が建ったら、人間のほうが気に入ってしまって、今に至るという。

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