バレンタインデーの極上チョコレートは、お酒とともに一層おいしく味わいたい――。そこで『ミシュランガイド東京』で2年連続二ツ星を獲得した鮨店、「西麻布 拓」のソムリエール兼共同経営者である永田真弓さんに、チョコレートとお酒の奥深き愉しみ方を聞いた。
シャンパーニュにチョコレートは合わない?
チョコレートに合うお酒といえば、シャンパーニュを思い浮かべる方が多いと思いますが、実はこの組み合わせ、ベストとは言えないんです。理由は、チョコレートの味によりシャンパーニュの甘さが消され、酸味のほうが際だってしまうからです。「要素が似通ったもの同士」というのが、お酒を食べものに合わせるときの鉄則。ですから基本的には甘さの強いチョコには、甘いお酒が合うと考えていいでしょう。
ガナッシュ(※1)や生チョコ(※2)には、イタリアのアマローネやレチョートが合うと思います。敢えてシャンパーニュに合わせるならば、ヴーヴクリコやモエのドゥミ・セックという少し甘口タイプのものが良いのではないでしょうか。その場合、ガナッシュや生チョコの中に、オレンジ系の柑橘類が入ったビター寄りのものがベストマッチだと思います。
※1:熱した生クリームにチョコレートを合わせた製菓用のチョコレートクリームで、トリュフの真ん中などに使われる
※2:チョコレート加工品(チョコレート生地を全重量の40%以上使用したもの)のうち、クリームが全重量の10%以上であって、水分(クリームに含有されるものを含む)が全重量の10%以上となるもの等について、商品名に「生チョコレート」と表示することができる。(全国チョコレート業公正取引協議会による)
チョコの味わいに似たワインを合わせる
スパイスを練りこんだチョコには、ゲヴェルツトラミナーという品種の甘口白ワイン等が合うと言われています。黒胡椒やハーブ入りのものであれば、シラーやグルナッシュ等のローヌワインがお薦めです。こちらも極力ビター寄りのもので…。
フルーツ系のチョコ、例えばオレンジピールにチョコをかけた「オランジェット」には、キンキンに冷やしたシャトーリューセック、フランボワーズやアプリコット等を繊細なチョコでコーティングしているものであれば、貴腐ワインの王様「シャトーディケム」を合わせてみるのも極上の幸せ感を経験できそうですね。






